SDGsに取り組む世界の子どもたち

インドの10歳の女の子がポッドキャストでプラスチック汚染について子どもたちに発信

インド南部、ベンガルールで暮らす10歳のシヨナ・ヴィクラさんは子どもたちにプラスチックやプラスチックのおもちゃのない世界を目指すことを発信する「Little WISE club」を運営しています。

シヨナさんは8歳まで英国で育ちました。彼女は7歳のときにポッドキャストに出会いました。しかし、世界で何が起きているのかを発信する子供向けのポッドキャストがなく、教科書に載っている情報以外は子供達に届かないのだと気付きました。そこで、彼女は自分のポッドキャスト「リトル・マインド・チャット」を始めることにしました。

「“ポッドキャストで情報を発信し、子どもたちと世界をつなげたい “という思いがありました。さまざまなトピックについて子どもたちに教えたい、ゲストや専門家にインタビューをしたいと考えました。最終的な私の望みは、子どもたちにハッピーで有益な考えを与えることです」

とシヨナさんは言います。

シヨナさんは、あるポッドキャストの中でプラスチック汚染でウミガメが死んでいることを知ったそうです。そして、これが2020年末に設立した「Little WISE club」の発端となりました。シヨナさんは今このクラブを通じて、プラスチック、プラスチックのおもちゃ、化石燃料のない世界をつくることを目指しています。

シヨナさんは、ポッドキャストを使ってさまざまな分野の専門家にインタビューをし、その内容を他の子供達に共有しています。

毎週土曜日とイベント時などに配信しているポッドキャストは、現在までに104回以上放送されています。彼女のポッドキャストは「Golden Crane Podcast Award」を受賞し、ポッドキャスティングで最も権威のある賞「Podcast Awards 2021」の最終候補者にもなっています。

「現在のおもちゃの約90%はプラスチックでできています。生産されたプラスチックのうち、約50%はここ15年の間に生産されたものです」

彼女は、世界中の子供たちに、持続可能な材料で作られたおもちゃを使うよう働きかけていくつもりだと言います。

「現在、プラスチックのおもちゃをリサイクルする手段はあまりありません。また、親御さんもおもちゃをどう処分したらいいのかわからないのです」

とシヨナさんは付け加えます。

シヨナさんはクラブを通じて、プラスチックのおもちゃが子どもに与える健康被害や一度廃棄されたおもちゃが環境にどのような影響を与えるかについて啓発しています。ポッドキャストでの発信のほか街中にポスターを貼るなどの活動を続けています。

また、子どもたちから使用済みのプラスチック製おもちゃを集め、ごみ捨て場や川などに流入しないよう、最善を尽くしています。現在、彼女が通っている学校やビイダス病院の近くを中心に、市内に回収ボックスが設置されました。

おもちゃを回収ボックスに持って行き「Little WISE club」のウェブサイトから登録すると、“エコ戦士”の称号が与えられます。またポイントがもらえ、そのポイントはサスティナブルな製品を取り扱う店で使うことができます。

集められたおもちゃはベンガルールから30kmほど離れた工場に運ばれ、農業用パイプ生産に使われています。

シヨナさんによると、この活動ではこれまでにすべての回収ボックスから約200kgのプラスチックが回収され、150人近くのエコ戦士がサインアップしているとのことです。今後はクラブを拡大し、より多くのエコ戦士を生み出したいとシヨナさんは望んでいます。

ソース:https://yourstory.com/socialstory/2022/03/monday-motivation-siyona-vikram-awareness-plastic-free-toys-podcast/amp