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ボランティアの考え方が変わったよ@NPO法人おりがみ報告会(前)

今日は東京・有明にあるパナソニックセンター東京にやってきました。

目的は「NPO法人おりがみ報告会」の取材です。

パナソニックセンター東京
会場の様子

「NPO法人おりがみ」ってなに?

「NPO法人おりがみ」とは、大学生を中心としたボランティア団体です。

2014年に「学生団体おりがみ」として設立し、ゴミ拾いから活動を開始しました。その後、徐々に活動の幅を広げて200人規模の団体へと成長しました。この「学生団体おりがみ」を原点として2021年に「NPO法人おりがみ」が発足します。

 

おりがみではボランティア活動を通じて、自分自身の「もう一つの役割」を発見して、性別や人種、国籍が異なる人でも一緒に夢を見られる共生社会を目指しています。

 

自分のため、家族のため、友達のためにお手伝いしたことのある人はたくさんいると思います。

では、知らない人のためにお手伝いしたことのある人はどれぐらいいますか?

知らない人のために働くってどんな気分でしょう?

いざやってみると、その活動を通じて人の役に立つ満足感だけでなく、今まで気が付かなかった自分の(性格、長所、特技、好きなことなど)一面を見つけることができるというのがボランティアの魅力だと言います。

 

おりがみのホームページにもこう紹介されています。

「あらゆる人が、自分の可能性を諦めずに居られる。一人ひとりが夢のために力を発揮できて、それが誰かのためにもなっている。その社会はきっと、面白くて、多彩な魅力を放っているはずだと、私たちは信じています。

『おりがみ』が設立されてから来年で10周年。2014年に学生団体、2021年にNPO法人を設立し、ボランティアを通じて『誰もが自己実現できる社会』を目指し活動を展開してきました」

今日は、そんなおりがみの活動を報告する集まりとなります。

では報告会のレポートです。

報告する人・プレゼンターは全員で6人います。

とっても興味深い報告ばかりで、本当は全部を紹介したいところですが、あまりに長くなってしまうため、読みやすく要約して紹介します。

かっこいいお兄さんお姉さんたちの話、ぜひ最後まで読んでみてください。

司会進行のお二人

ちょっとだけ誇れる自分探しを応援しあう社会へ

最初のプレゼンターはNPO法人おりがみで理事長・都築則彦さんです。

テーマは「NPO法人おりがみの展望」です。

都築則彦さん

おりがみ創立のエピソードから始まります。
「僕がこのおりがみという団体を立ち上げた原点。それは幼少期の頃の記憶にまでさかのぼります。僕の家は自営業です。365日休むことなく働く両親。そんな後ろ姿を見る中で、自分の運命が決まってしまうような気がして。 もっと違った人生を歩んできたい。とびっきりの壮大な物語が欲しい。 自分にとって一番壮大だと思えたのは宇宙。宇宙の研究者になりたい。そんな思いを持って勉強を頑張っていました」

都築さんは大学に入ると、東京オリンピック開催決定に沸くご時勢に接し、とても心が躍ったそうです。

「何かこの波に自分の身を投じることで、 自分の運命が変わっていくんじゃないか。そんな思いを持って、1人でも多くの人が関われるオリンピック・パラリンピック作る。こんな目的を持って学生団体おりがみを設立しました」

立ち上がったばかりのおりがみ。最初の活動はゴミ拾いでした。

「毎週日曜日の朝8時に池袋駅東口に 集合し、既存の掃除団体に混ぜてもらいながらお掃除をする。そんな日々を送っていました」

オリンピックに向けて何かやってみようと仲間を集めたけれど、結局何もできない。でも、時間は過ぎていく。ゴミ拾いを続けていく日々が過ぎていきます。

「そんな活動を続けていく中で、1人、また1人とメンバーが去っていってしまいました。たった1人で活動している時期もありました」
どうにかしなくちゃいけない。自分の思い描いていた大学生活とは全然違う。そんな自分を救ってくれたのが…。

ボランティアのイベントです。日本中のボランティア研究の第一人者たちが実行委員になって、日本中の学生ボランティアのリーダーたちが集まり、 800人近くの学生ボランティアに向けて合宿、研修プログラムを提供していきます」

そんな大イベントの実行委員に「なぜかなってしまった」という都築さん。収穫はとても多かったようです。

「僕がこの世界から学んだこと。それは、人と向き合うことの価値を知り、自分の利益とかを度返しして体がなんだか動いちゃうという人たちのかっこよさにしびれました」

こうした経験を経て、おりがみはパラスポーツの支援へと広がっていきます。
「パラスポーツを支援したというよりも、パラスポーツに活躍の場をいただいたと言った方が正しいかもしれません。 小さなイベントから積み重ねていって、いろんな人たちから感謝をされて、1つまた1つの活動を大きくしていく。ここからおりがみの活動は広がっていきました」

そうして活動を広げたおりがみ。現在は多彩なイベントを開催し、文化、環境、スポーツ、国際、福祉、教育と6つの分野にまとめ、それぞれに対してプロジェクトチームを立ち上げて運営しています。

今後については次のように発言します。

「ちょっとだけ誇れる自分探しを応援しあう社会。今よりもちょっとだけ素敵な自分になってみたい。 それが温かくて、優しくて、希望に満ち溢れた、そんな社会につながっていくんじゃないかと僕たちは考えています。それを目指すために、 ボランティア文化を開発するための夢と仲間を得る場作りにこだわっています。たくさんのプロジェクトとコミュニティを作っていきます。そして、 それらが広がっていくこと、それ自体がボランティアを変えていくんじゃないかと思っています。」

コツコツと活動を積み重ねてきたことが実を結んだことがよくわかりました。

ありがとうございました。

都築さんのプレゼンの様子

つまらないを面白いに変えていきたい

続きましてNPO法人おりがみ環境事業代表・土谷悠太さんです。

テーマは「グリーンアドベンチャー」です。

土谷悠太さん

土谷さんはおりがみを通じてオリンピック関連のキャンドルナイトリレーというイベントに参加したことなどを経て環境問題に興味を持ったと言います。でも最初は環境活動って堅苦しくてつまらないと思っていたと言います。

「僕は環境問題についてたくさん取り組みを調べました。地域のゴミ拾い活動、企業の植林活動、 行政の環境に関する会議、環境の取り組みを行う人の講演会。でも…これらの活動、ワクワクしますか? 言葉を選ばず正直に言ってしまえば、環境活動ってつまんなくね。そう思ってしまいました」
そこで土谷さんはどうしたのでしょうか。

「つまらないで終わるのはもったいない。つまらないを面白いに変えていきたい。 自分が面白いと思える環境活動をしたい。僕の周りの若者が面白いと思えていない活動は、これまで以上に衰退していってしまう」

ボランティア活動の大事な考え方です。どんなことでもそうですが、面白くないコトやモノは自然と減っていきます。
「環境活動を面白くしていくために、僕はあるイベントを企画します。グリーンアドベンチャー環境冒険家の訓練場です。 このイベントは、千葉県が主催で、NPO法人おりがみが業務委託として実施したイベントになります」

どんなイベントなのでしょうか?
「1人で町や海に出かけていって、ゴミ袋を持って減ることのないゴミを淡々と拾う。そんなゴミ拾いは面白くない。どうしたら面白くなるのか僕は仲間と考えました。あるメンバーがこんなことを言いました。拾ったゴミを使ってみんなで何か作ったらいいんじゃない。それ面白そうだね。拾ったゴミを魅力的なアートに。せっかくならさ、 たくさんの人が集まるんだから音楽フェスやろうよ。僕たちはゴミ拾いを芸術と音楽に変えました」

こうして土谷さんたちは次々とボランティア活動を楽しいイベントとして融合させて“つまらないを面白い”に変えていきました。

柔らかい発想力と溢れるエネルギーに感心してしまいました。

貴重な報告ありがとうございました。

土谷さんのプレゼンの様子

人種、国籍を越えて上野の夏祭り復活へ

3人目は、NPO法人おりがみ副理事長の深澤文さん。

テーマは「上野ハレノヒ計画」です。

深澤文さん

「最初に2023年度の大きな成果を発表していきたいと思います。 それは上野の夏祭りです。コロナ禍を経て4年ぶりに開催し、 2日間で3万人以上の方々が訪れるようなお祭りを実施することができました。異なる文化圏が併存する上野で性別や人種、国籍、年代など様々な壁を越えて多くの方々に来ていただくことができました」
このお祭り復活のきっかけを振り返ります。
「2018年の3月に私が入院をしたことがこの活動が始まったきっかけでした。入院は1カ月でしたが、その間は大学を休学、おりがみの活動を辞退します。この全てを失った期間、今まで自分はどんなことをしてきたのか。これからどんなことをしていき、生きていきたいのか。自問自答し、本気で何かに打ち込みたいと決意します」

そうして退院後に出会ったのが上野のお祭りでした。

「このお神輿に参加したことで 大きな感動を覚えて涙してしまいました。それは、年代や性別、様々な壁を越えた地域の方々が集まっているだけでなく、人種や国籍を超えて留学生も中に取り入れて、 そしてみんなでお神輿を担いでいく。その1つのものを作っていく感動や熱気に私は圧倒されてしまいました。 この感動を他の人にも届けたい。そう思い、そしてまたこの上野という土地に縁を感じ、様々な場所を散策しに行き、色々な魅力や課題を発見していくことになります」

こうして散策し続けて見つけた課題が上野の夏祭りの衰退でした。さらにコロナで夏祭りは中止。深澤さんはお祭り復活を目指します。

「変わり果てた姿の上野がありました。たくさんの人がいたはずの公園や商店街に、誰も人がいなかったんです。そして上野の日常を支えていくために、 まずは現実を知って協力していこうと考えました。例えば東京都美術館の展示に関わってみたり、 街では商店街の復活プロジェクトを立ち上げ、今でも継続していくような大きなプロジェクトに成長しました」

こうした活動を積み重ねた結果、冒頭のように上野の夏祭りの復活を実現させました。

上野への熱い思いが伝わるプレゼンテーション。深澤さんはこう結びます。

「私がこの夏祭りを通して皆さんに今伝えたいこと。それは誰も1人じゃない、 あらゆる人が認められる可能性があるということです。それは私が上野での活動を通じて経験したことでもあるし、この夏祭りという空間を通じて体験してきたことでもあります。私は誰をも認められるような、受け入れられるうな人間になりたい。そうは思っていますが1人だけだったら受け入れられないこともあると思います。 でも、夏祭りにはたくさんの人たちがいます。あらゆる価値観を持った人たちがいます。あらゆる文化を持った人たちがいます。この夏祭りに来れば、お互いを知り、受け入れることができると私は思っています。毎年続けていくことで、みんなの居場所になるような、そんな夏祭りを私は作っていきたいと思っています」

コロナ禍は私たちの生活に大きく影響しました。前を向いて生きる人たちの声はとても励みになります。

「誰も1人じゃない」は良い言葉です。

深澤さんのプレゼンの様子

 

後編に続きます。