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魅力あるボランティアって何!?@NPO法人おりがみ報告会(後)

どんな人にも誰かの何かを変える力がある

4人目はNPO法人おりがみでパラ旅応援団を担当している都築政憲さんです。

テーマは「パラ旅応援団」です。

都築政憲さん

「僕には吃音症という言語障害がありまして、人間関係が負担になった過去があります。 それで障害のある方々の繋がり不足に関心を持つようになりました。 大学在学中はおりがみで特別支援学校との交流事業を立ち上げてリーダーをしていました。卒業後は社会福祉士の国家試験に向けて日々勉強しながら活動しています」

都築さんのメッセージは「どんな人にも誰かの何かを変える力がある」ということ。

「誰でもかけがえのない価値があるんです。パラスポーツを通じてそのことを確信させるドラマの一部を本日はご紹介します」
そうして障害のある方との触れ合いの様子を語ってくれました。

そしてこんな思いも吐露します。

「半世紀前、障害児福祉の父・糸賀一雄さんが言いました。 “この子らを世の光に” 障害のある子たちに光を届けていこうではなくて、障害のある子たちが光になるんだと。本当にそうです。障害のある方々に自分の光、かけがえのない魅力を知ってもらって、それを未来の担う若者にその光を広げていってほしいです」

都築さんは自分の心の内側を告白します。

「僕は吃音症ですが、実はそんなに吃音症には見えません。手帳も持っていません。『それって障害じゃないんじゃないですか』って言われたこともあります。僕も一生懸命隠しています。でも僕には波があって、隠しきれないこともあり、そのときは自分を責めたくなる。生きるって孤独との戦い。そんな思いを抱えていた僕を変えてくれたのはボランティアでした。そして、おりがみで知的障害のある方々と出会いました。彼らは誰よりも真っすぐでした。誰に見られようが、誰の力を借りようが、自分のやりたいことをやる。自分が良ければ、どんな失敗も成功なんだって。そんな姿を見て、なんだかすごい涙が出てきたんです。僕はこんな仲間がずっとほしかったんじゃないかなって」

都築さんはとても楽になったと言います。

「苦手なところもかっこ悪いところも堂々と好きと伝えてみれば、これまで抱えていた肩の荷が降りて降りた気がしました。自然体の中に本当の魅力というものがあったような気がして。全ての人に得意不得意があって、楽しいことも辛いこともある。そして、僕が出会ったあの知的障害の方のように、どんな人にも誰かに何かを気付かせる。そんなかけがえのない価値があなたにもあるんです」

いろんなイベントや交流会などで障害のある方と交流できるプラットフォームを目指すという都築さん。

「移動支援のあり方がもっと多様なものになって、重い障害のある方や病気で外に出られない人にも届いてほしい。もっと多くの学生ボランティアや協力者が増えて、パラスポーツを盛り上げる応援団として一緒に活動でたらいいなって思います」

障害と向き合うこと、受け入れることって、言葉では簡単ですが、実践は大変だったと思います。

それをやってのけた都築さんの話は心に刺さりました。

都築さんのプレゼンの様子

ボランティアは人のためにするだけでなく、もっと自由なもの

続いて5人目は学生団体おりがみ代表の山岸荘汰さんです。

テーマは「学生団体おりがみの展望」です。

山岸荘汰さん

学生団体おりがみは、前編の冒頭でも紹介しましたがNPO法人おりがみより前に発足した、原点みたいな組織です。

「本日はおりがみでの私のストーリーから、今後のおりがみの展望をお話しできればと思います」

おりがみとの出会いは「小さなワクワクから始まった」と言います。

「2年半前、届いたのは1つのSNSのメッセージでした。オリンピック・パラリンピックに関わる 半世紀ぶりの夏祭りの復活。そんな活動を学生の力でやっているという知らせに驚きました。 この団体に入れば自分が何者かになれる気がして、おりがみ入会を決めました」

入会すると、ボランティアについて考えるところから始まり、全国学生ボランティアフォーラムに参加して考え方がかたまったそうです

「ボランティアをしている学生が全国から一堂に集い、 自分の経験やボランティアについてディスカッションをするイベントです。半年間このイベントの企画から実行まで行ってきて、自分の中でボランティアのイメージが180度変わりました」

どのように変わったのでしょうか。
「そもそもボランティアをしたことがなかった私は、人を助けるために行うのがボランティアであるというイメージがありました。ボランティアは偉い人のすること。ボランティアは偽善活動である。そう思いました。ところが活動を続けていくと、自分の周りにはボランティアを趣味のように行う人、ボランティアで得意なことを伸ばしていく人、 ボランティアを通して夢を追いかける人、様々な人がいました。私が感じたこと。それはボランティアの可能性です。自分のために行ってきた今までの活動も紛れもないボランティアであると感じました。ボランティアは人のためにするだけでなく、もっと自由なものだったと、そう気付くことができました」

とても難しいお話ですが、とても良いお話をしています。
今後のことについても触れています。
「光を求めるのではなく、私たちが輝きを放つこと。私たちには心から活動を起こしていく行動力があります。私たちにはボランティア活動に込める思いや夢があります。そして、私たちには周囲の感情を生み出す力があります。だから私たちはボランティアを通して多くのドラマを作り上げてきました。そんなおりがみだからこそ、より一層多くの活動を生み出し、今まで以上に多くの人に感動を与える団体として、これからも頑張っていきたいと思います」

誰にでも先入観はあるものです。

言葉にして言いにくいことを勇気をもって発言してくれました。

共感した人は多いはずです。

ありがとうございました。

山岸荘汰さんのプレゼンの様子

街のすみっこには面白いものが隠れている

最後のプレゼンテーターは、学生団体おりがみ副代表・市田愛恵さん。

テーマは「すみっこ探検隊!」です。

市田愛恵さん

市田さんは栃木県在住で大学も地元の学校に通っています。

「自分は宇都宮でも街づくりに関する活動をしているんですが、私が今回お話しするのは『すみっこ探検隊!』です。これは自分が東京都墨田区にて行っている事業になります」

市田さんと墨田区の出会いは大学2年生の頃。

「墨田区のことを何も知らない私の活動は、まず街を歩くことから始まりました。私にとって未知の土地。好奇心をくすぐる何かがありました。 私はそのうち1人でも街に散策に行くようになります。すると雨水を貯水するタンクを見つけます。昔から洪水に悩まされてきた墨田ならではのもの。街の人から教えてもらいました。こうして街の人と会話しながら歩いてみたらいろんな発見がありました。街のすみっこには今まで気づかなかったいろんな面白いものが隠れている」

そんな感動を地元の人にこそ感じてほしいと思うようになりました。
「墨田区の人はどれくらい(魅力を)知っているんだろうか。せっかく住んでいる街、地元の人にこそ(面白さを)発見してほしい。せっかくならそれを楽しく知ってほしい。 こうしてすみっこ探検隊!という企画が生まれます」

すみっこ探検隊!の参加資格は基本的に墨田区に在住、在学している小学生親子。地元の人がターゲットです。 これまで3回開催しました。街の魅力を知ってもらうためポイントラリーや謎解きなど街歩きイベントが軸です。200組定員のイベントが定員オーバーする人気ぶり。イベントは大成功です。

この成功体験は市田さん自身にも大きな影響があったようです。

「私が今、大学4年生という時期になっても、この事業を継続しようって思ったのも、参加者の方からの来年も楽しみにしていますという声や、他の地域でもぜひ開催してくださいっていう声、お店の方からのまたよろしくお願いしますという声をいただいたこと。それに一緒に企画を考えた企画メンバーとまた一緒に来年もやりたいという気持ち。そうしたことがあったからこそ、継続しようと思いました。参加者も関わる地域の人、運営のボランティアも誰にとっても楽しいイベント。誰にとっても学びになるイベント。 そんなゴールのないものを、私は一生追求していきたいなと思っています」

こうした体験を経て地元の街づくりにも関心が高まって精力的に活動しているそうです。

ありがとうございました。

市田さんのプレゼンの様子

報告会は以上です。

レポートは短くカットしてお届けしましたが、全体で見ると長くなってしまってごめんなさい。

この報告会では大学生を中心としたみなさんのすごいエネルギーを感じました。

小中学生にもこの人たちのことをもっと知ってもらいたいとも思いました。

 

興味ある人はぜひホームページをチェックしてみてください。

NPO法人おりがみのホームページ

NPO法人おりがみ|もうひとつの役割をオーダーメイドする (origami-vol.or.jp)

学生団体おりがみのホームページ

学生団体おりがみ (origami-vol.or.jp)
報告会の動画

NPO法人おりがみ – YouTube
またレポートします。

おわり