こんにちは。
今回は千葉県にある日本最大級のコンベンション施設・幕張メッセで2023年10月15日に開催されたイベント「エコメッセ2023inちば」の様子をレポートします。
「エコメッセ2023inちば」って何?
「エコメッセ2023inちば」とは、今年で28回目を迎える千葉県最大の環境活動見本市です。
環境活動する市民をはじめ企業や行政、大学などが実行委員会を組織して運営しており、SDGsという言葉が世の中に広まるずっと前の 1996年から毎年開催しているイベントなのです。
このイベントを通じて、環境について楽しみながら考え、体験でき、子どもから大人まで様々な人々が出会う「環境への気づきの場」を基本コンセプトとして現在まで続いてきました。
開催は年1回、会場は幕張メッセの国際会議場です。
例年、会場には約120の団体がブース展開しており、このほかセミナーや講演会などプログラムイベントも行われています。
来場者は1日で1万人超え。小学生から親子、高校生、大学生、カップル、社会人など、幅広い層の人たちが集まる人気イベントです。今年は、コロナ制限後を意識して会場スペース及び募集団体を半分にしての開催でした。それでも会場が広くて、出展ブースやプログラムが多彩なので、今回のイベントレポートは前・中・後編の3回に分けて紹介します。
まずは前編をお送りします。
今年のイベントのテーマは「Peace(平和):身近な暮らしからもう一歩!」です。
では会場をのぞいてみましょう。
◆千葉市子ども交流館
千葉市子ども交流館は18歳未満の子どもたちが放課後や休日に過ごせる場所として設置された施設です。
施設の運営だけでなく、さまざまな場所に出張して講義やワークショップも開催しています。
この日は出張講座の一環として出展していました。
出展プログラムは「みらいの石? ピョコピョコ動く石」です。
その名の通り「ピョコピョコ動く石」を作る無料教室で、不要になったガチャガチャのケースを再利用して、ビー玉とアルミホイルを使って作ります。
作り方は簡単で、スタッフさんが付き添って教えてくれるので小さな子でも大丈夫。ガチャガチャのケースにビー玉を入れて、アルミホイルで包むだけ。
材料さえあれば自宅でできますので、興味のある人はぜひ作ってみましょう。
完成するとどんな動きをするかというと、石を転がすとまっすぐ転がらず、右に左にヨタヨタとフラフラと不思議な動きで転がります。
その様子がとても愉快なんです。
なんでこんな不思議な動きをするかというと、ガチャガチャのケースの中に入れたビー玉が動くのでケースの重心が変わるため、転がり方が不規則になるのです。
自分で作った「ピョコピョコ動く石」は、もちろん持って帰れます。
スタッフさんにお話を聞きました。
「このおもちゃは不要になったガチャガチャのケースを再利用して作ります。ちっちゃい子でも表面に絵とかシールとか、ちょっと色をつけてもらえばかわいらしいおもちゃができます。転がすだけでも楽しいですが、ダンボールでコースを作ってそこに転がしたり、いくつか作ってレースをしたり、遊び方はいろいろ発展できます。本気で考えたら子どもたちの方がユニークな遊び方を生み出すかもしれませんね。こうした工作や遊びを通じてリサイクルの面白さを知ってもらえたら嬉しいですね」
そんなスタッフさんが待っていると体験希望者が続々と来訪。みなさん、ワイワイガヤガヤと「ピョコピョコ動く石」作りを楽しんでいました。
体験者のなかから一組の家族からお話が聞けました。
ミキちゃん(7歳)、ハルキくん(5歳)、トモキくん(3歳)です。
─「ピョコピョコ動く石」作りはどうでしたか?
面白かったぁ(ミキちゃん)。
楽しかったぁ(ハルキくん)。
面白い(トモキくん)。
─どんな風にして遊びたい?
う~ん。(ちょっと考えて)コロコロしたい。(ミキちゃん)
─不思議な動きをするね。
うん。変な動きをするところが面白い(ハルキくん)
─こういういらなくなったものを再利用するって興味ある?
うん。(大きくうなずくミキちゃん)
「これからもっと知るんだもんね」と声をかけると、みんなで「はーい」と元気よく答えてくれました。
協力してくれてありがとう。
◆千葉県立成田西陵高等学校園芸科作物専攻
みなさん、日本茜(あかね)って知っていますか?
成田西陵高校の園芸科作物専攻では、耕作放棄地の有効利用を目指して植物染料である日本茜の栽培をおこなっています。さらに日本茜による植物染めを通して、農業による自然環境の保全や次世代への伝統文化の伝承活動に課題研究として取り組んでいるのです。
ここはそんな日本茜に関連した活動内容を紹介しています。
現役学生のスタッフさんが説明してくれました。
「日本茜はアカネ科に属する植物です。別名で赤根と呼ばれていまして、根っこが赤いところが特徴です。なぜ僕たちが日本茜について活動しているかというと、使われなくなった耕作放棄地に日本茜を栽培して、その有効利用の仕方を全国に広めたいという目標でやっています」
日本茜に注目する理由は次のようなことを挙げてくれました。
1岩や石ころの多い斜面の片隅でも我慢強く生きる生命力が強い植物であること。
2そのため耕作放棄地の栽培植物に適していること。
3茎や葉に細かな棘(とげ)があり、獣害の予防対策にもなること。
4染物の原料として使われることで、日本の伝統工芸の継承を応援することにもつながること。
などなど、日本茜の良いところをたくさん教えてくれました。
まだまだ知らない人が多いという点も彼らの意欲を燃やしています。
一人でも多くの人に日本茜を知ってもらいたい。それがこのブース開設の由来です。
SDGsについてももちろん関心も意識も高い人たちです。こんなことを語ってくれました。
「農業というのはSDGsと切っても切り離せない関係です。地球温暖化とかの影響で今まではこの土地の気候では作れなかった 作物が作れたりして、逆に今まで適正だったのに、気候変動でもうこの土地ではでは作れないというケースも出てきています。つまり何らかの影響を最初に受けるのが農業なのです。 SDGsの考え方は農業をしていく上で欠かせません。だから僕たちはSDGsにすごく興味を持っていますし、日本茜の活動を含めて率先して学んでいます」
みなさんの熱意は会場に伝わったようで、多くのゲストが日本茜についてたずねていました。
◆家族で楽しむ里山遊び10
ここは里山にある材料を使って遊ぶ物を作ってみるところ。昔は身の回りの自然を使っていましたが、近頃は、自然にふれあう機会が少なくなりました。竹、どんぐり、木の枝など利用してさまざまな工作ができる会場です。
どういうものができるのでしょうか。
「カラフルぶんぶんこま」
「マテバシイのヤジロベー」
「竹ぼっくり」
「ウグイス笛」
「バードコール鳥丸くん」
「クヌギのダルマ落とし」
「葉脈のしおり」
「笹のヒンメル」
などなど
これらすべての制作用材料一式、写真付きの工作手順表があり、好きなモノを作って持ち帰ることができます。
わからないことがあれば近くのスタッフに声をかければ教えてくれます。
会場は親子連れで大盛況。
子どもたちの熱気が一番高かった会場かもしれません。
会場をひと回りしてよくわかったことは、とっても盛りだくさんの内容だということ。
正直、たった1日で終わってしまうイベントにしておくのは、もったいないと思いました。
まだまだ紹介します!
中編に続く。
ちなみに来年の「エコメッセちば2024」は2024年10月20日(日)幕張メッセ国際会議場で開催されます。
興味ある人はぜひ遊びに行ってみませんか!