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体験するともっと知りたくなるよ@エコメッセ2023inちば(中)

こんにちは。

今回は千葉県にある日本最大級のコンベンション施設・幕張メッセで2023年10月15日に開催されたイベント「エコメッセ2023inちば」の様子をレポートします。

会場が広くて、出展ブースやプログラムが多彩なので、今回のイベントレポートは前・中・後編の3回に分けて紹介します。

ここでは中編をお送りします。

エコメッセ2023inちばの会場

◆POI

「POI」ブース

学生団体の出展で、テーマは昆虫食です。

昆虫食とSDGsの関連性や、昆虫食が社会課題の解決にどのように関わっているか教えてくれるブースです。

実際の昆虫食の商品を販売も交えて解説してくれるので、商品を購入すれば体験で理解できます。

スタッフさんに聞きました。

「もともと近畿大学の現役大学生の、昆虫食を広めたいという思いから立ち上がった団体です」

近年、SDGsの一環で昆虫食が食材として注目されています。

一つは温室効果ガスの軽減です。

私たち日本人は1人あたり年間平均約6㎏の牛肉を消費しているそうです。牛がげっぷなどで排出する温室効果ガス排出量は3㎏で、牛肉の消費量の半分が昆虫食に代わったら、温室効果ガス排出量も半分の1.5㎏になるそうです。

温室効果ガスは地球温暖化に影響を及ぼすガスです。それが半分になるというのは凄い話ですね。

二つ目は代替タンパク質としての昆虫食です。

人口増加によってタンパク質が不足するということが予測されていて、特に2025年から2030年頃にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れる「タンパク質危機 (global protein crisis)」が起きるという声もあります。そんな危機の解決策に昆虫食が注目されているのです。

スタッフさんによると、もっと伝えたい理由があるとか。

「昆虫食を普及させたい理由はもちろんSDGsの観点はあります。ただ私たちがもっとも知ってもらいたいのは、昆虫食はおいしいということです。日本では昆虫食は馴染みがありません。そのため、美味しいはずがないと食べることに抵抗を感じる人も少なくありません。私たちはそんな誤解を解いて、単純に美味しい食料としての魅力を知ってもらいたいと思っています。それがひいてはSDGsに繋がっていくのだと思っています」

さまざまな昆虫色が販売されていました

スタッフさんはもちろん昆虫食経験者。せっかくなので主な昆虫のグルメ解説をお願いしました。

セミ

「全部、私の感覚、印象で言いますので、そこは注意して聞いてください。まずセミはアーモンドに似ているって言われることが多いですね。木の樹液を吸って育つので、植物の樹液の香りがします。歯ごたえはちょっと固めというか外側がパリッとしているので、食感を楽しむような感じですかね。味はエビに似ています。エビに似ているのは昆虫食全般に言えます」

コオロギ

「コオロギもちょっとエビっぽさはあるんですけど、コオロギは何でも食べるので、その養殖業者さんの餌によって、かなり味が変わってきます。サツマイモを食べて育ったら甘くなって、野菜を食べていたらさっぱりとした味わいになります」

タガメ

「このブースでタガメサイダーを販売していますので、タガメサイダーで解説しますね。これは青りんごとか洋なしの味と言われています。なかでもオスがメスを誘惑する時はフェロモンがでていてフルーティーな香りになります。とても飲みやすいです」

昆虫コーヒー
「コオロギにはブラジル産、バッタにはコロンビア産、カイコはグァテマラ産の豆が合っているので、風味が良い本格的なコーヒーが楽しめます」

分かりやすい解説ありがとうございました。

興味ある方はぜひチャレンジしてみませんか。

◆社会福祉法人あかね

「社会福祉法人あかね」ブース

社会福祉法人あかねは、身体障害や知的障害、精神障害、難病の人など、障害を持っている人が生き生きと自立した生活を送ってもらうことを目的に本人や家族に寄り添いながら支援に取り組んでいる組織です。

そんな社会福祉法人あかねが出展するものは点字名刺です。

点字名刺とは、視覚障害者の人が文字を読み取るための、点字加工を施した名刺のことです。

出展ブースに名刺に点字を刻印する機械を設置して、来場者が持っている名刺に点字を無料で点字加工します。学生や子どもなど名刺のない人には、キャラクターの印刷されたカードに点字を入れます。

点字加工を自分で体験できるので、完成した点字名刺は自分の作品のような愛着がわきます。

点字表から点字に入れる文字を探します
その文字から点字原版をつくります
原版ホルダーにセットして、名刺に点字を打ちます
完成品(見本)

スタッフさんに聞きました。

点字名刺は私たちの仕事の一つです。一般の会社さんから名刺を送っていただいて、その名刺に点字加工してお返しするという仕事をしています。もちろん、名刺を一から作って点字加工することもしており、障害のある人たちのお仕事になっています。今回は自分たちの仕事を体験してもらうことによって、こういう仕事があるんだよって知ってもらえたら嬉しいですね」

点字名刺は目の不自由な人との名刺交換に役立つだけでなく、コミュニケーションの手段としてもSDGsの視点からも注目されています。そのため点字名刺を入れる企業も増えてきているとか。

「毎年、定期的に注文してくれる会社さんも増えてきました。注文いただければ、私たちの仕事のやりがいに繋がるし、収入にも影響します。ぜひビジネスシーンで使ってほしいですね」(スタッフさん)

私たち取材班も作らせてもらいました。

ありがとうございました。

◆親子でSDGsを体験しよう  里山たんけん隊~自然の変化を楽しもう~

「親子でSDGsを体験しよう  里山たんけん隊~自然の変化を楽しもう~」会場

会議室一室を使ったこの会場は一歩足を踏み入れると、そこは「里山」。

昔はみんな、身の回りに自然のものを使って、工夫して遊んでいました。最近は、特に首都圏の人は自然にふれあう機会が少なくなり、子どもたちが自然のものを使うような遊びが減ってきています。

そこで、もっと、身近な自然を使って遊んでみようというのがこの里山の会場です。

里山でクイズをしながら探検できたり、自然のモノを使って楽しむ「里山遊び」したり、親子でSDGsを体験できます。

 

「里山遊び」のなかでも親子連れが多かったのは葉っぱで作るアート体験のコーナー。

まずアートのベースとなる動物の絵を選びます。

キリンやライオン、クジャク、ハリネズミ、タヌキなどから選びます。

次は形も色も様々な葉っぱから好きな葉っぱを選んで動物に貼っていきます。

乾いたら完成です。

自由な発想で、いろんなユニークな動物が誕生していました。

写真上:キリンやライオン、クジャク、ハリネズミ、タヌキなどから選びます
写真下:完成品はラッピング加工されてお持ち帰りできます

ここで体験していたしていたチビッ子アーティストに感想を聞きました。

パパとママと3人で会場に遊びに来たユズキちゃん(6歳)です。

─今日は何を作りましたか。

「ハリネズミです」

─完成して感想をもらえますか?

「満足です」

─簡単だった?

うんうんとうなずくユズキちゃん。

─なんでハリネズミを選んだの?

「可愛いから」

─持って帰って飾るの?

「うん 」

どこに飾るか楽しみだね。ありがとう。

左からパパ、ユズキちゃん、ママ

この日は午前中の雨で、足元が悪いなかでも多くの来場者があり、会場はとても盛り上がっていました。

良い勉強にもなったし、何よりも楽しかったのが一番。

来年も来たいなぁと素直に思いました。

最後の後編はエコメッセ2023inちばのメインイベントのひとつであるアイデアコンテストの様子をレポートします。

 

後編に続く。

 

ちなみに来年の「エコメッセちば2024」は2024年10月20日(日)幕張メッセ国際会議場で開催されます。

興味ある人はぜひ遊びに行ってみませんか!