こんにちは。今日は東京駅にやってきました。
この駅の丸の内口の目の前には東京名物の丸ビルと新丸ビルがあります。東京駅を背にして向かって左が丸ビル、右が新丸ビルです。その丸ビル、新丸ビルの向こう側には丸の内仲通りというストリートがあります。
今回はこの丸の内仲通りが目的地です。
ここでSDGsイベントが行われるので、お邪魔してきました。
イベントは「循環縁日~大人も子どもも楽しく資源循環を体験できる縁日~」です。
2023年8月28日(月)から9月3日(日)まで開催されました。
主催は大丸有SDGs ACT5実行委員会です。
大丸有SDGs ACT5実行委員会とは、どんな組織かというと
千代田区大手町に本社を置く三菱地所をはじめ、東京駅周辺の大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町の3町域を合わせたエリアを「ダイマルユウ」と呼びます)に拠点を置く企業・団体を中心に構成した運営組織。2020年5月に発足しました。
また「ACT5」ってなんでしょうか。これは大丸有エリアを起点にSDGs活動の推進を図ることを目的に、五つの重点テーマを設定し
「サステナブルフード」
「環境」
「ひとと社会のWELL」
「ダイバーシティ&インクルージョン」
「コミュニケーション」
この5つのテーマで多様なアクションを展開しているのです。
今回はその活動の一環のイベントになります。
ところで、この日の取材はとても勉強になることばかり!
みんなに伝えたい、知ってほしいということ、撮れ高がいっぱいなので前後編に分けてレポートします。
ちなみに上記の「五つの重点テーマに」ついてもこの項の最後に説明します。
循環縁日
ではでは、イベント「循環縁日」をのぞいてみましょう。
歩行者天国となった丸の内仲通りの一角、ちょうと丸ビルの前あたりに大きなテントを張っているのが「循環縁日」の会場です。
参加費は無料です。
「循環縁日」は、ゲストに展示や物販、ワークショップなどを通してサステナビリティのワクワク感を「体感」してもらう企画を用意しています。
たとえば、プラスチックのマテリアルリサイクル体験や、廃材を活用したDIYアップサイクル体験など、大人も子どもも楽しく資源循環やサステナブルなもの作りを体験できるのです。
循環はSDGsの基本的な考えですね。それを楽しく体験することを、夏祭りの縁日とイメージを重ねて「循環縁日」なのです。
プラスチックのアップサイクル体験
最初に訪ねたのは、【プラスチックのアップサイクル体験ワークショップ】コーナー。
専用のマシンを利用してプラスチックのマテリアル(材料、原料)リサイクルを体験できるワークショップです。粉砕したペットボトルキャップをアップサイクルして、世界に一つだけのオリジナルグッズを自分たちの手で作ることができます。
では、どのような手順でオリジナルグッズができるのか、アップサイクルの流れを会場の写真を差し込んで紹介しましょう。
①まず使用済みのペットボトルのフタを回収します
②色ごとに分けます
③細かく粉砕します
④インジェクション装置を使って溶かします
溶かす温度は200度くらい。※インジェクション装置についてはこの後で説明します。
⑤型に流し込み、熱が冷めたら完成
※インジェクション装置のことを会場では「アップサイクルが目に見える機械」と紹介されていました。
「ペットボトルキャップを200℃で溶かし、型に流すとステキなものに生まれ変わります。使わなくなったものが、もっと素敵に生まれ変わる。“アップサイクル”という仕組み。 とってもわかりやすくできる機械です」(展示パネルより)
SDGsのワクワク感も体験でき、アップサイクルの仕組みを理解できるとあって親子連れをはじめ、外国人観光客など多くの人が注目して、ときどき体験希望で行列ができるほどでした。
体験した人の中からひとりコメントをもらうことができました。
ライカくん(3才)です。
─楽しかった?
「うん」とうなずくライカくん。
おうちでもキャップ集めているんだって。
パパさんによると、すでにSDGsに関心を持っているのだとか。偉いね。
「楽しかったよ」とライカくん。
人見知りさんなのに、よくコメントしてくれました。良い笑顔をありがとう。
このワークショップではインジェクション装置のアップサイクルのほか、ペットボトルキャップで遊べるガチャガチャ「循環ガチャ」も用意されており、充実のコーナー。
楽しく資源循環の取り組みが理解できました。
「おみやげ」を通じて社会課題解決を目指す
続きまして【「おみやげ」を通じて社会課題解決を目指す「haishop」】コーナーをのぞいてみました。
ここでは「おみやげ」を通じて社会的課題の解決を目指す日本発のショップ「haishop」が出展。アップサイクルされたバックやアクセサリーなどのファッション小物から、プラスチックフリーな家庭用品、フェアトレードドリンクなど厳選したサステナブル・グッズを販売していました。
SDGsを学んで、こうしたアイテムを生活に取り入れることに関心があれば持ち帰ることができるのが魅力ですね。
商品の中で目を引いたのは、フィリピンのジュースパックのアップサイクルのバック。
これは廃棄されてしまうアルミのジュースパックを再利用して、丁寧に編みこんで仕上げた逸品。アルミのジュースパックはPOPでカラフルなパッケージが多く、その模様や配色を絶妙に活かした素敵なデザインの作品に生まれ変わっていました。
アップサイクルはいまや芸術品のようなレベルになっています。
前編の最後に「SDGs ACT5」が設定している五つの重点テーマを説明しましょう。
「ACT5」がどのようなことに取り組んでいるかがよくわかります。
①「サステナブルフード」
仕事や買い物、観光などの目的でたくさんの人が集まる大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアは、ファストフード、レストラン、カフェなど、さまざまな飲食店があり、それだけ多くの食べ物が提供されています。そんな“食べる人と、“つくる人”が集まるエリアだからこそ、持続可能性に配慮した食文化の普及や、フードロス対策について考え、行動する機会を提供しています。
②「環境」
約4300事業所が集積し、約28万人が働く大丸有エリアでは毎日たくさんのエネルギーや資源が消費されています。街として、あるいは一人ひとりでも環境への負担を軽くしていくことは重要な課題です。解決策の一つとして、多様なサーキュレーション(物質の循環)の仕組みづくりに挑戦しています。
③「ひとと社会のWELL」
コロナの影響や様々な社会課題が持ち上がり、それぞれの生活や働き方などが大きく変化しています。そこで新たな働き方を考えて、(働く人、暮らす人など)人と社会の両方がより良い状態となることを目指し、様々なアクションに参加できる仕組みづくりに挑戦しています。
④「ダイバーシティ&インクルージョン」
大丸有エリアを訪れるすべての人々にとってやさしい街を目指して、誰もが楽しみながらダイバーシティ&インクルージョン(多様性&一体性)を推進する場と機会を提供ししています。誰もが多様性を認め合い、心にバリアを感じることなく豊かに暮らせる街を目指します。
⑤「コミュニケーション」
SDGsのすべてのテーマに関わる重要な要素が「コミュニケーション」です。
環境問題、貧困、ダイバーシティに関わる問題など多様な社会問題を扱う映画を上映する「大丸有SDGs映画祭」を開催し、このほかにもアートや食などSDGsをよく知らない人にも気軽に楽しんで参加していただけるようなイベントを開催しています。
大手町・丸の内・有楽町のエリアはこれからどんどん変わりそうですね。多くのイベントも開催されそうで楽しみです。
さてさて、関心と興味と好奇心が止まらないイベントレポートは、まだまだ続きます。
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