前回に続いて、ジョギングをしながらゴミ拾いなど、まちのクリーンアップを行う活動「プロギング」のイベントレポートです。
後編はいよいよ実践編です。
43名の参加者はAとBチームに分かれて丸の内エリアをプロギングします。
Aチームは丸の内エリアの皇居、大手町を巡るコース。
Bチームは有楽町、皇居を巡る丸の内エリアのコースです。
どちらのコースにも、いくつかのSDGsスポットを設けており、ゲストスピーカー(イベントに招かれ、講演・説明を行う人)による丸の内エリアの取り組みなど紹介をします。取材班はAチームに同行させてもらいました。
出発!
では集合場所の丸の内ビルを出発!皇居方面にみんなで軽いジョギング(早歩きかな?)程度のスピードで進みます。普段運動しない人や子どもでもついて行けます。
ジョギング中のおしゃべりはもちろんOK。顔見知り同士は世間話(?)が始まり、初対面の人はポツリポツリと言葉を交わして徐々に仲良くなっています。


おしゃべりしながら楽しくまちを散策するのと、まるで変わりません。大きく異なるのは、みなさん視線はゴミを探して周囲見回しているところ。「ゴミはないかな」とアンテナを張っているのです。
ゴミを見つけた人が拾ってゴミ袋に入れます。すると「ナイス~」、あっちからも「ナイス~」、こっちからも「ナイス~」と仲間から称賛を浴びます。
褒められて照れくさそうにする人、素直に喜ぶ人、さまざまですが、みなさん表情が柔らかくてとても嬉しそう。
称賛する人とされる人のお約束のようなこのやり取りがジョギング集団の空気を温めて、とても盛り上がり、士気を高めます。
それを見て「次は私が拾いたいな」と、ゴミ拾いに意欲が湧いてきます。
実はこれもプロギングのルールなのです。
知った仲間は拾うことを見届けて「ナイス」と声かける。たったこれだけの決まり事ですが、集団に仲間意識が芽生えてきます。
コミュニケーションって、素晴らしいなぁってつくづく思います。
学校や家族のイベントにすごくおすすめですよ~。



SDGsポイント(チェックポイント)
最初のSDGsポイント(チェックポイント)に着きました。
3×3 Lab Future(さんさんラボ フューチャー) 前です。
ここは自宅でも会社でもない第3の場所としていろんな職業の人が交流・活動拠点となるよう設けられた施設。
その前でみんなが足を止めると、Aチームのゲストスピーカーの方が、解説してくれました。
皇居のお堀の水を浄化する施設があること。きれいになったお水は3×3 Lab Futureの入っているビルで使用されていることなど、SDGsなお話が伺えました。
自分たちで開催するなら、チェックポイントの解説は、SDGsにこだわらず観光案内でも豆知識でもなんでも良いようですよ。

途中、大手町付近のアナザー・ジャパンを通り過ぎると、店員さんより応援がありました。
アナザー・ジャパンは学生が経営する47都道府県地域産品セレクトショップです。2ヶ月ごとに店内が入れ替わるショップにカフェを併設しています。
「頑張ってくださ~い」
店舗のリーフレットを見せながら学生スタッフさんが笑顔を振りまきます。
応援は魔法のようで不思議なパワーがあります。とても元気になります。



2回目のSDGsポイント
次のSDGsポイント(チェックポイント)に着きました。
TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)です。…って知っていますか。
ここは東京駅日本橋口前にて開発を進めている新しいエリアです。まちの名称をトウキョウトーチとし、ここで建設している2棟のタワーを「常盤橋タワー」、「Torch Tower(トーチタワー)」と言います。
ここでもAチームのゲストスピーカーの方が、解説してくれました。その他の参加者も何人も手を挙げて発言してくれました。
Torch Towerの完成が2027年度。高さ約390メートルと東京の新しいランドマークになることを目指していること。
開発の時に携わった人の名前が、あそこ(目の前にある施設)の名盤に刻まれていること。
エリア内にある「錦鯉が泳ぐ池」は新潟県小千谷市から錦鯉を譲り受けたこと。
などなど、休憩を兼ねてとてもリラックスしてお話が聞けました。

ゴール!
出発からおよそ1時間後。ゴールの丸の内ビルに戻ってきました。
空だったゴミ袋は膨らんでいます。
集団の会話はスタートより弾んでいるようです。
みんな笑顔がはじけています。
Bチームも白い歯を見せて戻ってきました。




拾ったゴミを集計
ブロギングを指導する一般社団法人ブロギングジャパンのトッキーこと、常田(ときた)英一朗さんが閉会を進行します。
「それではですね。最後にみなさんがお持ちいただいたゴミの計量をしたいと思います」
みんなが拾ったゴミはどのくらいでしょうか。とても気になります。
AB両チームのゴミ袋が集まります。

「ではみなさん、結果を発表します。本日の結果は約8.5キログラムです」
おー! と集団から歓声が上がります。トッキーさんが続けます。
「3キロ走って約8.5キロ回収することができました。ほんとにみなさんありがとうございます。 実感してほしいのは、みなさんの一人ひとりの力が集まったことです。僕が一人でこの量を拾おうと思ったら、めちゃめちゃ大変です。半日か下手したら1日かかるかもしれません。みなさん、お一人お一人が来てくださったからこそ、このゴミを拾うことができました。本当にみなさんありがとうございます。 プロギングギをやってみていかがだったでしょうか。ちょっとでも楽しかったなと思ってもらえていれば嬉しいです。お疲れさまでした」
参加者の大きな拍手、拍手、拍手が今日の感想を表しているようでした。

最後にAB両チームから1名ずつ代表でコメントもらいました。
Aチームの浅子さんとBチームの水谷さんです

─終わってみて、どのような感想をお持ちですか?
浅子さん「運動しながらゴミを拾って、まちをきれいにするのはすごいいいなと思いました。また、それ以上に仲間とコミュニケーションするのがすごく楽しくて、また次もやってみたいです」
水谷さん「私、普段あんまり運動とかしないので、月曜の朝から走ったりするのはちょっと嫌だなって内心思ってたんです。でも実際やってみたら、ゴミを拾ったり、いろんな部署を越えて 様々な人とお話できたりして、すごい楽しかったです。今すごいスッキリしていい気分になりました」
─プロギングの印象はいかがですか?
浅子さん「普段、話す機会のない、関りを持たない部署の人などと仲良くなれことは、今後のチームビルディング(メンバーの能力や経験を最大限に引き出し、高い成果を上げるチームを作ること)にも役に立つんじゃないかなって思いました。ゴミを拾えるし、まちはきれいになるし、コミュニケーションも図れるしって。“一石なん鳥”にもなる活動です」
水谷さん「ゴミを拾うというすごい大義名分があるので、ちゃんとやらなきゃって気負っているところがあったんですけど、1個でも拾えばそれでオッケーだよみたいな感じだったので、すごい取り組みやすいという印象です。ハードルが低いから活動を続けるのも良いなって素直に思いました」
─みなさんで拾ったゴミは約8.5キロでした
浅子さん「3キロぐらいかなと思っていたので、予想以上の量でした。約8.5キロはすごい量だなと思いました。はい」
水谷さん「普段、この辺で働いていると、まちも綺麗なので、あんまりゴミ落ちてないかなと思ってたんですけど、意外とこんなにあるんだなっとちょっとびっくりしました」
─今日のイベントでどんなことを得ましたか?
浅子さん「次も、こういう機会があったら、積極的に参加したいなと思いますし、自分の仕事で、こういうのイベントを催せる機会があれば積極的に催して、プロキングを広めていきたいですね」
水谷さん「小さなゴミ1つ拾うだけでも、大人数でやると、あの量になりました。それを見て感動しましたし、日々、自分のできることをコツコツと、ゴミが落ちていたら拾うなど、小さな取り組みからやっていきたいです」
ありがとうございました。
みなさん、いい汗をかいて、良いことをして、心も体も爽快のご様子でした。
青い空も手伝って、とても気持ちの良いイベントでした。
みなさんもプロギングやってみませんか!
またレポートします。
本文中に紹介した施設の紹介
3×3 Lab FutureのHPはこちら
アナザー・ジャパンのHPはこちら
おわり