SDGs 取り組んでいます!

1年間かけて “サーキュラーエコノミー”に市原市の中学生が挑戦するよ!

こんにちは。2023年4月27日、今日は千葉県市原市に取材でやってきました。

訪ねたのは市原市立南総中学校です。

ここで中学生が参加するSDGs活動のスタートアップセレモニーが行われるのです。

会場は南総中学校の体育館

どのようなセレモニーなのかというと

「GCHアップサイクルプロジェクト」というのだそうです。

 

詳しく説明しましょう。

まず株式会社hide kasuga 1896という会社があります。

この会社が循環型社会の構築を目的に産学官連携サーキュラー・エコノミー・コンソーシアム「Green CompositeHills by hide k 1896(グリーン・コンポジット・ヒルズ)」(以後GCH)という名前の活動の一環として、「GCHアップサイクルプロジェクト」をスタートさせます。

 

GCHは、資源循環に関する理解や活動を社会に浸透させるため、市原市や三井化学株式会社をはじめ、様々な企業、学術、行政機関が参画している活動です。

つまり、お役所などの行政と民間企業が協力して環境に優しい活動をしているのです。

 

具体的に中学生はどんな活動をするのでしょうか

南総中学校の全校生徒235名には、このセレモニーで「あるペンケース」が配られます。

このペンケースは、国立競技場や高輪ゲートウェイ駅を手掛けた建築家・隈研吾さんのデザインによるもので、市原市に工場を持つ三井化学株式会社のグループ会社・株式会社プライムポリマーが製造販売する、マスバランス方式のバイオマスPP(ポリプロピレン)「Prasus®︎」と、市原市産の間伐材の木粉を複合材化した環境調和型素材で作られたものです。

 

市原市といえば、日本有数の工業地帯があり、美しい自然にかこまれていることでも知られる町です。

工業製品と森林の間伐材。

このペンケースは、そんな町の特徴を表現しているのです。

隈研吾さんのデザインの環境調和型素材で作られたペンケース

さて、そんなペンケースを生徒たちには日常的に使用してもらいます。

そして 1年後に回収して、ベンチなどにアップサイクルして、南総中学校や近隣の街中に設置されるというプロジェクトなのです。

自分が使用したペンケースが新たな価値へ生まれ変わることや、間伐材の有効利用と、マスバランス方式のバイオマスPP(ポリプロピレン)の活用によりC02の削減を体感できる機会を提供し、サーキュラーエコノミーに対する理解促進を図るというのが狙いだそうです。

サーキュラーエコノミーとは、廃棄物の量を抑えたり、シェアしたり、再活用や資源のリサイクルを促進したりする循環型経済を指す考え方です。

千葉県内で初めて「SDGs未来都市」に選定された市原市

そもそも市原市は、「SDGsのシンボルとなるまち」を目指し、令和3年(2021年)3月に「市原市SDGs戦略」を策定し、5月には内閣府から千葉県内で初めて「SDGs未来都市」に選定されたほど、SDGsについて意識の高い町。

市原市では「サーキュラーエコノミー普及促進事業」を行っており、今回のプロジェクトは、その一環でもあるのです。

サーキュラーエコノミー普及促進事業とは、サーキュラーエコノミーに対する理解促進につなげるための啓発事業です。今回はペンケースを通じて環境意識の高揚につなげるのが狙いです。

スタートアップセレモニー

この日のスタートアップセレモニーには、市原市から小出譲治市長、林充教育長も参加し、ペンケースの交付式のほか、特別授業として、hide kasuga 1896代表・春日秀之さんによるサーキュラーエコノミースタートアップセミナーが行われました。

セレモニーの様子
右からhide kasuga 1896・春日秀之代表、林充教育長、小出譲治市長、野村雅彦校長

セレモニーの式次第(流れ)はこんな感じでした。

  • 開会
  • 校長挨拶(南総中学校 野村雅彦校長)
  • 交付式(ペンケース交付式)
  • 主催者等挨拶(小出譲治市長、林充教育長)
  • セミナー(hide kasuga 1896代表・春日秀之さんによるサーキュラーエコノミースタートアップセミナー)
  • 決意の言葉(生徒代表者1名)

ペンケース交付式

生徒を代表し2名が登壇してペンケースを受け取りました。

小出譲治市長(右)と林充教育長(左)からペンケースを受け取る生徒たち

主催者等挨拶

小出譲治市長をはじめ、林充教育長、野村雅彦校長から挨拶のコメントがありました。

小出譲治市長
林充教育長

春日秀之さんによるサーキュラーエコノミースタートアップセミナー

hide kasuga 1896代表の春日秀之さんによるサーキュラーエコノミースタートアップセミナーはとっても勉強になりました。

優しい語り口で、説明も丁寧。

生徒たちは真剣に聞き入っていました。

hide kasuga 1896・春日秀之代表

決意の言葉

生徒代表を代表して廣瀬汐音さんが登壇しました。

右から小出譲治市長、廣瀬汐音さん

廣瀬汐音さんのコメントです。すごく素敵ですよ。ほぼ原文ママで紹介します。

「本日は、南総中学校でサーキュラーエコノミー普及促進事業スタートアップセレモニーを開催してくださり、 ありがとうございます。

小出市長様、林教育長様から私たち南総中学校の生徒に対してペンケースをいただき、大変嬉しく思います。

また、サーキュラーエコノミーについてわかりやすく説明していただきました。

私たちは、ペットボトルやキャップの回収に取り組んできました。

サーキュラーエコノミーは、リサイクルをさらに発展させ、 これまで捨てられていた製品や材料を資源と考え、資源として循環させ、ゴミを出さず環境への影響をより少なくする循環型経済活動であることを学ばせていただきました。
先ほどいただいたペンケースも、原料に市原市内の間伐材などが使われており、サーキュラーエコノミーの考え方のもと 作られていると伺いました。

そして、使用したペンケースを回収し、資源として新しい価値を持った製品に再生されるといったサーキュラーエコノミーを実際に体験できることは、私たちにとって とても貴重な経験になると思います。

本日、1人に1つのペンケースをいただきました。 南総中の生徒は235人です。南総中だけでは数が少ないと思いますが、サーキュラーコノミーの取り組みが市原市、千葉県、日本全国、そして世界につながっていけば良いと思います。

そして、ペンケース1つの取り組みから、エネルギーの問題、 気候変動の問題の改善につながるかもと、想像すると嬉しい気持ちになります。

南総中では生徒会が中心となり、中学生としてできることは何なのかを全校生徒からアンケートを取り、南総中独自のSDGs「南総中SDGs」を作成しました。
今ある学校生活を充実させることで、なりたい自分になり、将来自分の力を誰1人取り残すことのない世界の実現につなげていくことが「南総中SDGs」の目的です。

SDGsは 2030年までに持続可能でより良い世界の実現を目指しています。
サーキュラーコノミーは環境の問題ですが、環境以外にも平和や貧困、ジェンダーの問題など、解決しなければならない問題はたくさんあります。2030年まであまり時間はありませんが、 17の目標の実現は、これから大人になる私たちは避けては通れない課題です。
サーキュラーエコノミーも含め、17の目標を達成するためには、様々な社会を自分の事としてとらえ、自分にできることを考え、実行することが必要であると改めて思いました。

今後は、 南総中学校がサーキュラーエコノミー普及促進事業協力校に選ばれたことを誇りの責任を持ち、南総中生として市原市がSDGsのシンボルとなる街になること、サーキュラーエコノミーの市原モデルを全国に発信していくことに協力したいと思います。

本日はありがとうございました。 市原市立南総中学校生徒会 会長 廣瀬汐音」

ありがとうございます!

とっても立派なご挨拶でした。
「南総中SDGs」っていいですね。みんなの学校にも独自の「●●●SDGs」ってあったらいいなぁと思いました。

今回はスタートセレモニーなので、ペンケースを受け取ったところまで。

これからみんなが使い続けて一年後、ベンチなどにアップサイクルされるなんて、とっても楽しみですね。

ぜひ、その様子も取材したいです。

 

またレポートします。

 

おわり