今日は東京・有明の「Panasonic GREEN IMPACT PARK」にやってきました。
「パナソニックセンター東京」1階フロアに2023年3月25日にオープンした、地球温暖化対策を学べる小中学生を対象にした展示ブースです。
ゆりかもめの有明駅前にあり、利便性は抜群。ファミリー層に注目を集めている有明の新スポットです。
平日は学校の課外授業などで訪問する小学4年生から中学生中心に来場、この日は休日で家族連れの人たちがたくさんいました。
ここは大手電機メーカーで知られるパナソニック ホールディングスが運営する施設。
実はパナソニックグループが自社で行っている取り組みの名前が「Panasonic GREEN IMPACT」なのです。
Panasonic GREEN IMPACTは、「よりよいくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けて、自分の会社の事業で排出するCO₂の削減と、社会におけるCO₂排出量の削減に対する貢献する活動です。
Panasonic GREEN IMPACT PARKの展示ブースでは、こうした目標達成に向けたパナソニックグループの最先端技術やソリューション(問題を解決する方法)開発などの取り組みも紹介しています。
では施設を見学してみましょう。
Panasonic GREEN IMPACT PARKは、未来の地球のために、私たちができることを2つのテーマで考える、体験と学びの広場です。
一つ目はCO₂(二酸化炭素)の削減
二つ目は資源の循環です。
施設はこのテーマに沿って構成されていて、「CO₂の削減」エリアと「資源の循環」エリアに分かれています。
2つのテーマを考えていき、楽しみながら新しい「行動」へのアイデアを探しに行くのがここの魅力です。
みんなはどんなアイデアをだすのでしょうか!
ぜひ体験してほしいと、強く感じた施設でした。
今回のレポートでは前編に「CO₂の削減」エリア、後編に「資源の循環」エリアを紹介します。
ではまず、最初のエリアへ。未来を変えるためのヒントを探す旅に出発!
CO₂の削減
このエリアは、私たちの暮らしや社会で、どんなときに、なにが、どれくらいCO₂を排出しているのか。そしてどうしたら減らせるのか、発電の方法や種類、再生可能エネルギーなどの紹介をしています。
テーマ1 「CO₂ってどんなときに出るの?」
私たち人間が暮らしているだけで、いつ、どれくらいCO₂を出しているのでしょうか。
その一例が学べます。見てみましょう。
クイズを交えながら展示を紹介します。
Q CO₂「3億トン」ってどのくらいの規模なの?
私たちの暮らしや社会から出るCO₂の量は年々増加しています。今では世界で年間363億トンを排出しているそうです。
パナソニックグループは2050年に向けて全世界での排出量1%に当たる「3億トン」のCO₂削減を目標に、CO₂ゼロ工場や省エネ商品の開発など、さまざまな取り組みを進めています。
この目に見えないCO₂「3億トン」って、いったいどれくらいの規模なのでしょうか?
富士山と比べて展示されています。
Q 1キロのCO₂って実際どれくらいの大きさなの?
無色透明で目に見えないCO₂。その排出量を意識するために目の前で風船をふくらまします。
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では、生活の中でどんな行動がどのくらいCO₂を出しているのでしょうか。
このコーナーでは、ブロックを裏返すと答えがでます。
例題をだしましょう。
Q エアコンを1カ月使用するとCO₂排出量は?
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Q ドライヤーを1カ月使用するとCO₂排出量は?
↓
残りは実際に行って確かめてみてください!
続いてのテーマです。
テーマ2 「今までどおりの暮らしだとCO₂って減らないの?
どうしたらCO₂を減らせるのでしょうか。CO₂を減らすコツやエネルギーの上手な使い方を学びましょう。
「チャレンジおうちのムダ探し」は、家の中の無駄なエネルギーを探すゲームです。
人がいないところで使われている電気のスイッチを消していきます。
どれだけ無駄を減らせるでしょうか、トライしてみましょう。
またまたクイズです。
Q CO₂を減らせる窓ガラスってあるの?
答えはイエスです。
あまり知られていないですが、実は家の中で熱の出入りが一番多いのは窓なのです。
窓の断熱性が低いと夏は暑さが入り、冬は暖かさが逃げてしまうのだとか。
当然、必要以上に電気を使うことになるので、CO₂も余計に排出してしまいます。
つまり、効率の良い冷暖房は電化製品だけでなく、窓にも注目するとより効果的にエネルギーを使うことができるんです。
そこでパナソニックは、「真空断熱ガラス」を開発しました。
ガラスとガラスの間を真空にすることで熱を通さないため、一般的な一枚ガラスの10倍の断熱性を実現。
夏は冷気を維持しやすく、冬は暖かさを逃がさない、地球に優しい窓ガラスの展示もあります。
コンビニエンスストアなどの冷凍や冷蔵ショーケースにも使われているんだって。
次は「電気を自給自足すればCO₂は出ないの!?」のコーナーです。
現在、求められる地球に優しい住宅は、
CO₂が出ない太陽光で電気を作る
↓
この電気を蓄電池に貯める
↓
貯めた電気を家の電化製品、機器にコントロールして使う。
このように電気の自給自足ができる住宅です。
自給自足の働きを自動でコントロールできたら家全体の省エネもできるし、快適な暮らしができますよね。
そんな理想を実現するために取り組んでいる「蓄電池」(リチウムイオン電池)の紹介が展示されています。
蓄電池の仕組みや特徴がすごく良くわかります。
テーマ3 「電気をつくるとCO₂が出てしまうの?」
電気を作るとき、発電の仕方によってCO₂が出るものと、出ないものがあるって知っていましたか?
CO₂を出さない電気のある暮らしをみんなで考えるコーナーです。
「目指せCO₂ゼロ発電のまち」では、CO₂排出をできるだけ少なくして発電するシミュレーションにトライできます。
ここでは、水力発電、火力活電、風力発電、太陽光発電、純水素型燃料電池といった発電所で電気を作り、街に送電する様子をゲーム形式で体験できます。
ただ電気を送るだけではNGです。発電所の中からできるだけCO₂排出が少ない電気を送ること、さらにその時の天候も変化するため、状況に応じて最適な発電所を選択しないといけません。
「CO₂を出さない夢のエネルギー、水素って!?」のコーナーでは、水素エネルギーについて学びます。
そもそも日本のエネルギーのほとんどはCO₂を排出する化石燃料を原料とした火力発電で作られています。
CO₂を出さないために次世代エネルギーとして注目されているのが水素なのです。
水素はいろいろな資源から製造できます。なかでも水を電気で分解して水素をつくる製造方法は地球に優しい究極のエネルギー源として注目されています。
そこで、ここでは「純水素型燃料電池」が展示されています。
純水素型燃料電池は、水素と空気中の酸素を化学反応させ、その過程で発生する電気や熱を使う「小さな発電所」とのこと。実証実験では、すでに一般家庭900戸分に相当する発電量の燃料電池で工場を動かしているんだって。なんだかすごいですね。
「あらゆる場所でソーラー発電ができるかも!?」のコーナーでは、太陽電池について学びます。
今、使われている普及している太陽電池の多くは、大きさや形状に制限があって、大規模発電をするには、広い土地や新しい場所が必要です。
そこで、パナソニックは、「ペロブスカイト太陽電池」を実用化に向けて開発しているそうです。
「ペロブスカイト太陽電池」はゆがみに強く、軽量で、インクのような塗料で塗ったところが発電するので、これまでは設置できなかった場所に設置できることが特徴です。
ユニークなのは「あなたなら何を太陽電池にする?」という呼びかけ。この答えをモニターに記入することができ、みんなのアイデアが集まります。どこでも良いなら……。
「学校の屋上」
「公園の遊具」
「ランドセル」
「スポーツで使うボール」
「ヨット」
考えると楽しいですね。
あなたなら何と書きますか?
前編のCO₂の削減のレポートは以上です。
後編へ続く