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同じ気持ちの仲間がこんなにいるよ@チェンジメーカー・フェス2023(前)

スペシャルアンバサダーの皆さん。左から世良マリカさん、土屋アンナさん、すみれさん、わたなべちひろさん

こんにちは。今回は東京の水道橋駅、東京ドームがある東京ドームシティホールで2023年3月28日(火)に開催された「チェンジメーカー・フェス2023」の取材にやってきました。

東京ドームシティホール

「チェンジメーカー・フェス」(Change Makers Fes)とは、「社会をもっとよくしたい!」という思いでソーシャルアクション(社会課題の解決につながる行動)に取り組んだ子どもや若者(無料招待)が集うライブイベントです。

そんな子どもたちを応援したいというエンターテイナーや著名人、インフルエンサーも参加し、これまでのアクションや成果を祝い、エールを贈ります。

歌あり、ダンスあり、トークありといった楽しいエンターテイメントが盛りだくさんのライブイベントなのです。

このイベントに参加するための条件は2つあります。

ひとつは25歳以下であること。

もうひとつは、社会課題の解決につながる何らかのアクションを起こしたこと。

ソーシャルアクションとは、ごみ拾いや募金、服や食べ物の寄付、エシカル消費、SDGsアクションなど、人や地球のことを考えて起こした行動すべてをさします。宿題をはじめ、部活、日常で取り組んだどんなに小さいことでも誰かのために起こしたそのアクションは、立派なソーシャルアクションです。行動を起こせば参加資格は得られますよ!

 

そんな行動を起こした人を、“チェンジメーカー”と呼んでいるのです。

「まだ何もアクションを起こしていないよ」という人も参加のチャンスはあります。

これをきっかけに身近なアクションを起こせばOKなのです。

このイベントはNPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンと日本財団の共催です。フリー・ザ・チルドレン・ジャパンのパートナーであるカナダのFree The Childrenが開催をしてきた、世界でのべ65万人の子どもや若者が熱狂した社会貢献イベント「WE Day(ウィーデイ)」の日本版として2021年から始まったのがチェンジメーカー・フェスです。

ちなみにWE Dayは、ダライ・ラマ14世をはじめ、マララ・ユスフザイ、ヘンリー王子、セレーナ・ゴメス、オーランド・ブルーム、ナタリー・ポートマンなど、多くの著名人が出演しています。

今年で3回目を迎えたチェンジメーカー・フェス。

喜ばしいのは初めてのリアル開催であることです。これまではコロナ禍の影響でオンラインイベントでしたが、今回は初めて生の表情や声が舞台と客席で交差し、会場が一つになります。

 

さてさて、どんなイベントが待っているのでしょうか。

 

前後編に分けて、イベントプログラムをダイジェストで紹介します

 

会場の東京ドームシティホールには、ソーシャルアクションを行なった25 歳以下の子どもや若者が無料招待され、1000 人以上が集いました。

出演者は、総勢30 組のエンターテイナーや著名人、インフルエンサーたち。

スペシャルアンバサダーは4名。

ミュージシャン・ファッションモデル・女優の土屋アンナさん、

女優・歌手のすみれさん、

シンガーのわたなべちひろさん、

モデルの世良マリカさんが務めます。

 

オープニングイリュージョン

では開幕!

まずは今、最も世界から注目を浴びるイリュージョニストのひとりであるHARA さんによる煌びやかなオープニングからスタートです。

♪「僕が生まれ育ったのは近くのコンビニまで車で1時間かかる山の中。学校は遠くて行けないので山や川が僕にとっての学校でした」~♪と、郷愁を誘うナレーションから始まります。

舞台には1人の少年が現れ、自然と共に育ったHARAさんの子ども時代の様子を演じ、HARA さんはその時の思い出をイリュージョンに乗せてパフォーマンスを披露しました。

オープニング

スペシャルアンバサダーの土屋アンナさん、すみれさん、わたなべちひろさん、世良マリカさんが登場。4人からチェンジメーカー・フェスについての説明がありました。

そして「大事な言葉があります」と、土屋アンナさん。

イベントの合言葉が紹介されます。

「Together we can change the world~!」

私たち一緒に世界を変えられるよって意味です。

とっても元気になる言葉です。

LINEのオープンチャットや、イベントのバリアフリーについての説明もありました。このイベントを機にLINEのオープンチャットを開設。参加できるのは25歳以下。この日の参加者だけでなく、イベント後も情報交換ができるように設けられました。

イベントのバリアフリーについては視覚障害者が楽しめるように音声ガイダンスを導入したこと、日本手話同時通訳やUD Talkでの字幕配信も実施されることがアナウンスされました。

土屋アンナさんの音頭で高らかに開会宣言です。

客席「Together~!」

土屋さん「we can change the world~ スタートです~!」

 

続いてチェンジメーカー・フェスを共催した、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン代表の中島早苗さん、日本財団の高橋恵里子さんからご挨拶があり、チェンジメーカー・フェスに集まったソーシャルアクションの人数が発表されました。

今回、アクションを起こした人数は、なんと6010人。

集まった活動内容は「ゴミ拾いをした」「自分たちで商品を作って販売寄付をした」「フードバンクを通じてご飯を届けた」などなど。

こんなに多くの人が行動を起こしているなんて、とても感動しました!

オープニング

 

CMF×akaneコラボレーション

日本を代表する振付師akaneさんと、応援ダンサーによるコラボステージです。

akaneさんは各社CMの振付や映像監修など、マルチに活動する振付師で、2017年にはYouTubeで「バブリーダンス」を配信。1億回以上の再生回数を更新中です。応援ダンサーは今回のステージのために集まった40人のU25ダンサー。

 

チェンジメーカー・フェスのテーマダンス曲「We Turn It Up」をakaneさんが振り付け、U25ダンサーや客席も参加して会場一体となって踊って盛り上がりました。

U25ダンサーの皆さん

 

ジェンダー

TikTokのメイクチャレンジ動画や服飾学生あるある動画で注目のインフルエンサー・ててみさんが登場。

ててみさんは次のように発信しました。

世の中は男の人と女の人に分けられるけど、自分は男女どちらでもないと思っている。

両方の性別を楽しみながら、それを表現するのが好き。

でも、実際に行うことは大変です。

小学校〜中学校の9年間は、周囲の生徒から「おかま」と笑われた。

だからやりたいことを我慢して目立たないように暮らしてきた。

でも、高校生の時に「めっちゃメイクしたい」と思い、勇気を出してメイクに挑戦すると「すごくいいじゃん」と周囲から褒められたことで自信を持てた。

そこから「自分はもっとやっていいんだ!」と積極的に活動するようになり、それが

「TikTokerになって、まさかこんな大きな舞台に立てるようになるなんて……」と、優しく語り掛けるように話すててみさん。

 

「LGBTQ+に属する人は1クラス30人で言うと2~3人ぐらいいると言われています。意外といるんだよね」

「異性を好きになるという概念を取っ払って、もっと自由にしてみてください」

さらに続けます。

「自分の性別について悩んでいる人がいたら、あなた1人じゃないです。この世界には私を含めてたくさんの仲間がいます。少し勇気がいるかもしれないですけど、アクションを起こしてみてください。私は応援しています。もしかしたら(同じ悩みの人が)周りにいるかもしれません。もしいたら、たくさん褒めてあげてください。その言葉でたくさん助けられる人がいることを知って欲しいです」

スピーチが終わると会場から大きな拍手が送られました。

ててみさん

 

消費とゴミについて

お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんが登場。

滝沢さんは芸人活動のかたわらゴミ収集会社に就職し、ゴミ清掃員として働いています。

日常から見えてくる格差社会やゴミ問題、ゴミ清掃業界の優れた人材など、清掃員の日常を綴ったツイートが人気を集めています。

「マシンガンズのこと知っている人~(いますか)」

会場から手が挙げります。

「マシンガンズのこと好きな人は~」

「すごい減ったな~」

つかみはOK。さすが芸人さん、軽快な語り口で会場を温めます。

 

「11年前からゴミ清掃員になりました」と滝沢さん

勤務するうちにどうしても解決しなくてはならないと感じたことがあるそうです。

それは食品ロスです。

モニターに実例が出ます。

「例えば秋だと、こんなものが捨てられています」

映し出されたのは、なんとお米!

「秋に新米が出ると古いお米が捨てられているんです。もったいないですよね」

さらに実例が紹介されます。

柿やラ・フランス、リンゴ、キウイ、なかにはスイカまるごと1個、メロンなども紹介されました。どれも売り物になっていてもおかしくないよう良好な状態。

こんなことに遭遇するって清掃員のあるあるなんだそうです。

みなさんは知っていましたか!?

こんなものが捨てられているなんて……改めて日本って恵まれた国なんだなって実感します。

 

そして世界で見ると先進国に食べ物が集まってしまっている現状を解説し、こう訴えます。

「社会が変えなきゃいけないのは、私たちの消費の仕方です。そのお金で誰に喜んでもらいたいか? その買い物によって、誰かを傷つけていないか? と考えながら買い物をするようになると必ず世界は変わると思います。ほんとにこれを食べ切れるかなとか、使い切れるかなと思いながら生活していくと変わります。ご清聴ありがとうございました」

滝沢さん、ありがとうございました。

滝沢秀一さん

 

クリエイターズトーク

YouTubeやTikTokで活躍中のそわんわんさん、いわたまありさん、りゅうがさん、野球YouTuber向さんといった4人のクリエイターが舞台に登場。

SNSなどのクリエイター活動を始めたきっかけなどをトークしつつ、カバーダンスや野球のキャッチングなど、それぞれが得意なことも披露されました。

左からそわんわんさん、いわたまありさん、りゅうがさん、野球YouTuber向さん

 

チェンジメーカースピーチ

チェンジメーカースピーチは、ソーシャルアクションを起こした学校からの活動報告です。

イベントプログラムのなかにシリーズ的に設けられて、全4回のチェンジメーカースピーチが行われました。

最初のチェンジメーカースピーチは晃華学園中学高等学校と、さいたま市立大谷場中学校が報告されました。

晃華学園中学高等学校は「持続可能な福島」について考えるプロジェクトを実施。

さいたま市立大谷場中学校は「さいたま市の中学校の生徒手帳に子どもの権利条約の掲載をしてほしい」と、市の教育長に提言したことや、自身の学校では2023年度からの掲載が決定したことが報告されました。

晃華学園中学高等学校のみなさん

 

さいたま市立大谷場中学校のみなさん

 

客席にいるのはソーシャルアクションを起こしたチェンジメーカーです。言ってみれば舞台も観客も同じ志をもった仲間。会場は一体感があり、とても盛り上がります。

 

後編に続く。