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2050年までの再生可能エネルギーの導入は中国がリード。続いて中南米とEU

気候変動に関する多くの指標は間違った方向に向かっています。しかし、再生可能エネルギーへの世界的なダッシュは、COP27で世界の指導者やその他の代表者がネットゼロへの軌道に乗せようとする中で、私たちに希望を与えてくれるのです。

国連環境計画が「気温上昇を1.5℃以下に抑えるための信頼できる道筋は存在しない」と警告しているにもかかわらず、再生可能エネルギーへの動きは加速しています。このようなグリーンエネルギー生産の普及は、発電による排出量の削減という喜ばしい見通しをもたらす。

世界がエネルギー危機に瀕している中、国際エネルギー機関(IEA)の代表者は*2022年に再生可能エネルギーの容量が前年比20%増加すると予想しています。

(*記事は2022年11月掲載)

再生可能エネルギーが急増中

ここでは、すでに達成された再生可能エネルギー発電の急激な増加と、2050年に向けての方向性を示す5つのグラフを紹介します。

風力発電が先導する

風力発電の増加は、自然エネルギーの分野で顕著に表れています。下の図が示すように、1990年以前は、風力はほとんどエネルギー源として登録されていませんでした。

年間の風力発電量は年ごとのテラワットアワー(TWh)で算出しています。こちらは陸上風力と洋上風力の数値が含まれています。

風力発電は世界中で、グリーンエネルギーの代表格となっています。風力発電によるエネルギー生産量では、中国が100テラワット時(TWh)を超え、各国のトップに立っています。イギリスは国土が比較的狭いものの、洋上風力発電所に設置された巨大な風力タービンに多額の投資を行い、風力発電を大きく発展させました。英国国家統計局によると、2009年以降、英国は発電容量を715%増加させています。

新しいエネルギーミックス

再生可能エネルギーの増加傾向はグリーンエネルギーへ有利で急速な変化をもたらすでしょう。

下の図は、2030年までの電力生産のためのエネルギーミックスの進化の予測を示すものです。STEPSとAPSと呼ばれる2つの計画があり、可能な軌道をモデル化しています。どちらのシナリオでも、2030年までに再生可能エネルギーと原子力を組み合わせたものが世界の電力の大部分を供給することになると予想しています。

STEPSとAPSにおいて、再生可能エネルギーに代表される低排出量の電力源が2030年までに化石燃料を追い越し、数十年にわたる石炭の成長に終止符を打つ予定です。

発電分野のグリーン化における大きな課題は、世界最大の経済大国のいくつかが電力供給を石炭に依存し続けていることです。Our World in Dataの下図が示すように、中国では現在も石炭火力発電所の利用が急増しており、2021年には5,000TWh以上の電力は石炭を燃やして生産されたと言われています。

石炭火力からの電力

インドの発電用石炭使用量も増加傾向にあリます。中国とインドはCOP26で石炭の使用を「段階的に減らす」ことに合意しつつも、インドは何百万人の人々を貧困から救うために石炭の使用が必要だと主張ています。

新たなエネルギー容量を生み出す再生可能エネルギーの急増

 多くの国で石炭火力発電の廃止が検討される中、世界各地で新世代のエネルギーインフラが誕生しています。下図に示すIEAの予測によると、自然エネルギーは、2050年までの新規設備容量の75-80%を占めるSTEPSとAPSにおいて、太陽光発電と風力が主導し、世界の設備容量の増加を支配するとされています。

上のグラフは、2050年までの再生可能エネルギー容量の導入について、中国が世界をリードしていることを示しています。中南米とEUがそれに続いており、やはり太陽光発電と風力発電に重点が置かれています。

また、IEAは、アフリカ、東南アジア、中南米での水力発電への注力を予測しています。国際水力発電協会(IHA)によると、世界で生産される全電力の16%が水力発電によるものであるとのことです。IHAによると、水力発電の設備容量は2020年に1,330ギガワット(GW)に達します。下のグラフが示すように、中国、ブラジル、米国、カナダ、インドが設備容量で最大の水力発電国となります。

IEAによる2021年の報告書は、水力発電の重要性について、次のような強いメッセージを送っています。”2050年までに全世界でネットゼロ*を達成するには、水力発電の発展を大きく高めることが必要です。”

*人間活動由来の温室効果ガスの放出量と大気中から温室効果ガスを除去する量が同量でバランスが取れている状況

世界のネットゼロ目標を達成するためには、新たなグローバル・エネルギー・ミックスが大切です。COP27では、地球温暖化を1.5℃に抑えるという目標のため、誓約を実現化することに焦点が当てられています。

 ソース:https://www.weforum.org/agenda/2022/11/renewable-energy-generation-soars/