最近、日本各地でSDGs関連のイベントが開催されるようになってきました。特に秋になってくると毎週のようにどこかでイベントが行われています。
というわけで、今回は11月3日に埼玉県川越市で開催された「川越から地球を元気に SDGsアクションフェスタ2022」にお邪魔してきました。
主催は民間企業や団体が中心に集まったSDGsアクションフェスタ実行委員会です。

川越は「蔵造りの町並み」や「時の鐘」、「菓子屋横丁」といった観光スポットが多く、風情ある街並みは小江戸と呼ばれている街。
会場は川越駅から徒歩5分ほどにある、ウェスタ川越交流広場とウニクス川越にぎわい広場です。電車でもバスでも行けるとても便利な立地。
場内には24の出展者(団体)による39ブースがずらりと軒を連ねており、午前中からたくさんの来場者で賑わっていました。特に親子連れが多かった印象です。
出展ブースは大きく分けると3つの分野に分けられます。
まずひとつめは「遊ぶ&体験する」ブースです。
サツマイモの収穫体験のブースや木製品のワークショップ、古材を活用してオリジナル帽子を作るブース、塗り絵が楽しめるブースなど、遊び感覚で気軽に体験しながらSDGsに触れることができます。



ふたつめは「物販・飲食販売」ブースです。
ここのブースではリユースの着物やリメイクの洋服、ハンドメイド雑貨など、SDGsを実践して完成した製品を販売。飲食コーナーでも地元で開発された川越醤油らーめんによるレインボー餃子や川越野菜など、地元の味が楽しめます。



みっつめは「SDGsの取り組み紹介」ブースです。
ここでは川越市や近隣の自治体、企業、組織、店舗などがSDGsについてどのような取り組みを行っているかを紹介しています。それぞれが工夫を凝らしていて、楽しみながら活動内容を知ることできました。

そして、この3つの分野のほか「ステージ」があり、「SDGsアクションフェスタ2022」イベントの“盛り上げ役”として、多くの人を集めていました。ここでは開場からずっとサイエンスショーや音楽ステージなど、ステージイベントが行われていました。
会場に訪れた来場者は、気になったブースに立ち寄り、ワークショップで体験したり、物販で古着ができるまでのプロセスを知ったり、ある企業の取り組み方を聞いたり、飲み物を買ってベンチに腰掛けて青空を見たり、みんな思い思いの場所でこのイベントを楽しんでいるようでした。
さらにこの「SDGsアクションフェスタ2022」の大きな特徴であり、大好評だったのはスタンプラリーを実施したことです。
しかも普通のスタンプラリーとは違うんです。
ルールを説明しましょう。
まず、入場して「SDGsアクションシート」を受け取ります。このシートは会場の案内図も兼ねており、スタンプ帳にもなっています。そして会場を巡ってスタンプを集めます。スタンプは各ブースを訪ねるとそのブースで1つもらえます。そのスタンプが4つ貯まるごとに抽選会場に行くと1回抽選できます。抽選はハズレなしで素敵な賞品がもらえます。
そしてスペシャルな演出がココ。この抽選をする前に最後の条件が「わたしのSDGsアクション宣言」を書くこと。
スタンプ帳の「SDGsアクションシート」の書き込める空欄に地球を元気にするための自分のこれからの行動を書きます。書く内容はすでにやっていることや、いつも思っていること、これからやりたいこと、今日来て気づいたことでも、なんでもOK。無理せず自分にあったこと、今の自分に続けられることを書きます。

この宣言を書くことって、何気ない行動かもしれないけど、実はとても大事なことなんです。
書き込むためには自分が何をするか考えなきゃいけないし、それまで見学したブースでの体験も思い出そうとするし、それに書くという行動によって忘れにくくなるよね。こういう行動の積み重ねが地球を元気にすることに繋がると思うな。
つまり、頭の中で思うだけでなく、ちょっとのことでもいいから行動に起こしてみようよ、というイベントなの。
行動=アクション
だから「SDGsアクションフェスタ2022」と名づけられたんだって。納得!
ちなみに抽選会場の受付横には共催の(株)コングレが企画した「SDGs宣言神社」なるものが。この神社には絵馬コーナーがあり、紙製の絵馬にSDGsアクション宣言を書き込んで張り出すこともできました。「わたしのSDGsアクション宣言」と同じことを書いてもいいし、もちろん違うことを書いてもOK。
みんなの宣言が集まると壮観で見どころあります。一人一人のエネルギーが集まって大きな動きになるような…SDGsって、こうしたみんなの力が積み重なることが大事なんだろうな。
ちなみにスタンプを集めて完成したSDGsアクションシートは持ち帰って、自主学習のレポートとして活用できました。




では、会場をウロウロしてみましょう。
ステージでは、地元の川越工業高等学校と、同じく地元の自動車リサイクル事業会社である(株)CRS埼玉とのコラボ作品の発表会が行われていました。
作品は“アップサイクルバッグ”。
(株)CRS埼玉ででた廃品のエアバッグとシートベルトを川越工業高等学校デザイン科の生徒さんたちがリメイク。
本来なら捨てられてしまうものが、とてもお洒落なバッグに変身して、場内から歓声があがりました。

ステージで行われた一問一答をちょっと紹介しましょう。
司会者「使用する素材がエアバッグとシートベルトと聞いてどう思いましたか」
川越工業高等学校デザイン科生徒「エアバッグってなに?」 「どうやって作って良いのか、最初はプチパニックになっていました」
司会者「作るにあたって難しかったことはなんでしょう」
川越工業高等学校デザイン科生徒「シートベルトは硬くて分厚い生地なので重ねて縫うことが大変でした。針が通らなくて何本も折ってしまいました」
司会者「こだわったところはなんですか」
川越工業高等学校デザイン科生徒「エアバックの模様をそのまま生かしたところです」 「外側にエアバッグの生地を使うことによって普段使いしやすくしたところです」
司会者「将来の夢はなんですか」
川越工業高等学校デザイン科生徒「工芸作家になりたい」 「ミュージカルなどの舞台衣装の制作に携わりたい」 「広告をつくりたい」
などなど。
みなさんの力作、すごく感心しました。発表してくれてありがとうございました。

抽選会場には、スタンプラリーの条件を満たした来場者が続々と訪れているようです。

ちょっと話を聞いてみました。
アイナちゃん(小4)
川越市内の小学校に通うアイナちゃん。学校でパンフレットをもらって興味を持ったからママと来たんだって。
─このイベントはどうでしたか?
(ちょっぴり恥ずかしそうに)「楽しかったぁ」
─「わたしのSDGsアクション宣言」にはなんて書いたの?
「のこさず食べる」
会場に来てとっても勉強になったんだとか。満足そうでした。
ありがとうございました。

続いて
リュウタ君(小3)とハルカちゃん(年長)
市内から来たみなさん。学校からパンフレットをもらったのと、会場のウェスタ川越のホームページをチェックして、このイベントを知ったとお母さん。楽しみにしていたみたいです。
まずはリュウタ君から
─このイベントはどうでしたか?
「(ワークショップで)頑張って作れて楽しかったぁ」
─「わたしのSDGsアクション宣言」にはなんて書いたの?
「CO2をださない」
─どうしてそう思ったの?
「テレビでやってたから」
テレビで放送していたことをちゃんと覚えていて偉いね。
次はハルカちゃん
─このイベントはどうでしたか?
「楽しかった」とお母さんが回答。ハルカちゃんはそっぽ向いてうなづく。
─「わたしのSDGsアクション宣言」にはなんて書いたの?
「のこさず食べる」と大きな声。
元気いっぱいのシャイガールさんでした。
協力してくれてありがとう!
ちなみにリュウタ君、一等賞の「南古谷農園おいしい黒米・マコモ茶セット」が当たっていました。
いいなぁ、おめでとう。

最後は
イチカちゃん(小4)です。
学校でポスターを見て、関心を持ったから来たというイチカちゃん。
─このイベントはどうでしたか?
「(来るのを)楽しみにしていて、SDGsとか資源を大切にしてみたいなことが学べました。紙を無駄にしないとかは家でもやっています」
─「わたしのSDGsアクション宣言」にはなんて書いたの?
「世界中の困っている人に食べ物や飲み物を届けたい」
─なんでそう思ったの?
「川越駅の前で募金活動とかで、世界のことを教えてもらったからです」
シャキシャキして受け答えがはっきりしたお嬢さんでした。
ありがとうね。

このイベントは昨年始まったばかり。昨年は来場者2000人を想定していたところ、実際は5000人の来場者があるほどの大盛況。アクションシートも足りなくなって大慌てで増刷したのだとか。それだけ人気のあるイベント。実行委員会の方は「末永く続けていきたい」と抱負を語ってくれました。
ぜひ続けてほしいです。
またレポートします!!
おわり