キャッシュ・ダニエルズさんは、かつて川で”不気味な人形の頭”を発見したことがあります。
「川では思ったよりも希少なものが見つかります。ミッキーマウスのフィギュアや私が生まれるずっと前の曲が入った古いカセットテープ2本、散弾銃の弾などです」
とダニエルズさんは言います。
しかし、川で見つけるもののほとんどは、彼が大切にしている野生生物を脅かす缶やストロー、ペットボトルなどです。彼は発見したものをInstagramに投稿し、その後ゴミとして捨てるかリサイクルします。
ダニエルズさんは毎週、数時間をかけてテネシー州チャタヌーガで他の10代の環境保護活動家と一緒に川で缶や瓶を拾う活動しています。
皆で力を合わせて、これまで1トンを超えるアルミ缶の回収ができました。これは1年間、毎週でおよそ1000缶を回収する計算となります。2022年の目標はさらに意欲的です。1月にはカナダに住む親友のエラ・グレースさんとクリーンアップ・キッズというクラブを共同で立ち上げました。2人はバンクーバーで開催された3日間のブートキャンプ「Ocean Heroes」で出会いました。今はほぼ毎日ビデオチャットをしているそうです。そして、年末までに全世界で100万ポンドのゴミを拾うよう、子どもたちに呼びかけることにしています。
「私たちはただ、人々がそれを達成しようとするように、大きな数字を考えただけです」
ダニエルズさんは、3歳のときに初めて野生動物への情熱を抱いたといいます。
「物心ついたときから、ずっと動物が好きだったんです」とダニエルズさんは語ります。特に海洋生物には深い関心を抱いているそうです。スキューバダイビングの資格を持っており、フロリダで2メトロぐらいの長さのサメ、30匹と泳いだこともあるといいます。
彼は家族と一緒に川沿いを散歩してゴミを発見したときにすぐ大好きな海の生き物を思い浮かべたそうです。
「ビーチでストローなどを見つけたとき、私が愛する野生動物に害を与えるとわかったので、動物たちを守るために何かしなければならいと思いました」
ダニエルズは クリーンアップ・キッズというクラブを共同で設立し、年末までに全世界で100万ポンドのゴミを拾うよう子どもたちに呼びかけています。
彼のミッションは海より最も汚染されている地球全体の川を救うことだとそうです。
海に流れているゴミの8割は川からやってくるとダニエルズさんは言います。
2019年に彼はInstagramでConservation Kidという名前を採用し、捨てられたフェイスマスクのような単純なものが、カメや鳥、魚を絡め取り、窒息させ、殺してしまうといったことを投稿するようになりました。
マスクの廃棄物は、コロナ禍になって以来、推定9000%増加しており、マスクの不適切な廃棄はダニエルズさんの新たな悩みとなっています。
ダニエルズさんは主に10代の若者たちに向けて話していますが、プラスチックの浄化、リサイクル、撲滅は人類として取り組むべき行為だという彼の主張に大人たちが説得されることが多いそうです。プラスチックが分解されると、私たちの飲み水の中に入ってしまうことがあります。ダニエルズさんはプラスチック製品よりも缶詰を買い、使い捨てのストローや銀食器よりも再利用できるものを選ぶよう家族に働きかけています。
市長とも面会し影響力のある大人たちと話した経験から、大人は習慣を変えられると確信したそうです。
「人が私と話した後に、カップをポイ捨てしようと思ったとしても、考え直してくれていると思うんです」
しかし、実際には、地球を救うための負担は、彼のような子供たちに降りかかっているのです。
「子どもは人口の数パーセントかもしれませんが、私たちは100%の未来人です。そして、私たちは世界を救うことができるのです」
とダニエルズさんは語ります。
ソース:https://time.com/6128595/kid-of-the-year-finalist-cash-daniels/