アメリカ・マサチューセッツ州のセンター校とオールド・ハモンドタウン校に新しいクラスメートができました。そのクラスメイトはクラスでは椅子に座るのではなく、水槽の中にいます。
生徒たちにバブルスと名付けられたそのクラスメイトは、ダイヤモンド・バック・テラピンというカメの一種で、生息地の喪失と捕食のためマサチューセッツ州では絶滅危惧種に指定されています。
オールドロチェスター地域の科学コーディネーター、ベン・スクワイアさんはバブルスをそれぞれの学校に連れていて、できるだけ多くの生徒達にカメについて学べるように努めています。
バブルスが教室にいることで、生徒たちはダイヤモンド・バック・テラピンについてより深く学ぶことができ、同時にバブルスは安全な環境で成長することができます。
学年末には、バブルスは野生に戻され、生存、成長を続けてこの地域での個体数を増やす可能性が高くなる見込みです。そして生徒たちは、絶滅の危機に瀕した動物を保護するための行動を起こし、これらの生き物がいかに身近にいることを認識するようになるだろうと、スクワイアは語ります。
「私は、科学をできるだけ現実のものにし、体験させることを心がけています」
スクワイアさんは、保護と保全を目的とした組織であるNortheast Coastal Wildlife Allianceからカメを譲り受けました。この組織はダイヤモンド・バック・テラピンとその他の海洋生物の保護や保全に取り組んでいます。
ダイヤモンド・バック・テラピンは、一般的なカメとは異なり、塩水と淡水が混ざった汽水域の沿岸の塩性湿地に生息しています。この地域には海岸沿いの湿地が多いためトライタウンと呼ばれる地域でダイヤモンド・バック・テラピンを見かけることができます。
しかし、カメたちは生存の危機に瀕しています。キツネ、アライグマ、カラス、スカンクなどの野生動物の犠牲になったり、生息地が失われたりすることが多く、また、自動車にはねられたり、漁具に絡まったりすることもあり、ダイヤモンド・バック・テラピンは絶滅危惧種に分類されているのです。
このプロジェクトにより生後数日のダイヤモンド・バック・テラピンを救出ができました。ダイヤモンド・バック・テラピンは非常に小さく弱々しいため、大人になるまでに生き残るのは50匹に1匹程度と言われています。
カメは定期的に水槽の中で餌を与えられます。餌の奪い合いも外敵の心配もなく過ごすことができます。
スクワイアさんは、動物たちの成長に感動しています。バブルスが初めてマタポイセットの学校に来たときは$25コインの大きさでしたが、先週の時点で、甲羅の幅が3.8cmぐらいの大きさになりました。
春にはバブルスは5歳のカメの大きさに成長することが予想され、その時には自然に戻し”卒業”となると海洋生物学者であるサウスコースト・ダイヤモンドバック・テラピン・プロジェクト責任者のダニエル・マーストンさんは言います。
「5歳のカメの大きさであれば、”捕食の犠牲になる可能性はかなり低く、野生で生き残り、成長する可能性が高いです」
生徒たちは定期的にバブルスの大きさを測って、成長を見守っています。幼稚園児は、バブルスの餌を一個ずつ与えることで数を数えるようになり、科学以外の分野でも学ぶことができています。
生徒たちはこのプロジェクトを楽しみながら参加しています。
「一番好きなのは、エビを食べさせる体験です」と小学1年生のライランさんは言います。
小学校3年生のケンジーさんにとっては、バブルスが水かきを使って早く泳ぐことを見るのが楽しみだと言います。
小学校4年生のエリーさんは
「バブルスがいるのは素晴らしいことです。私たちは、彼がどのように、そしてなぜ絶滅の危機に瀕しているのかを知り、彼が絶滅しないように私たちがどのように手助けできるのかを学んでいます」
スクワイアさんは、このプロジェクトの影響が将来にわたって続くことを期待しています。
「このプロジェクトをきっかけに、子供たちが周りを見渡し、さまざまな地域の問題に関心を持ってほしいと思います」
スクワイアさんには、すでに将来の目標があります。
「来年は各学校にカメを置きたいと思っています」
バブルスの成長はインスタグラム@seahorsescience でチェックできます。
ソース:
https://sippican.theweektoday.com/article/mattapoisett-students-help-diamondback-terrapin-get-head-start-survival/56440