水分を含んだ生ごみはずっしり重く、かさばりますよね。燃えるごみの4割以上は「水分」とされ、そのほとんどが生ごみに含まれるもの!
また、本来食べられるのに捨てられている食品「食品ロス」の量は、日本人1人当たり1年で約45kgとされています。これは1人当たり毎日茶碗1杯分のご飯を捨てているのとほぼ同じ量です。
そこで、なるべく食品を捨てずに生ごみを減らしたいもの。
2001年のオープン以来、食べものを中心に“環境に負荷をかけない暮らし”を提案している「カフェスロー」の調理担当、安﨑あすみさんに“捨てがちだけど、おいしいところベスト5”と、おすすめの料理方法を教えてもらいました。
もったいないランキング ベスト5
ベスト5 ブロッコリーの芯
「やわらかくて甘みもあって、一度食べたら捨てられません! ふだん食べているブロッコリーは花の蕾に当たるところですが、じつは芯もおいしいうえに栄養価も高いそうです」(安﨑さん)
ブロッコリーの芯は、外皮がスジっぽくてかたいので捨てがちですが、外皮を包丁でむくと中身はやわらかく美味。ひと口大に切って炒め物にしたり、ゆで野菜に。
ちなみにキャベツの芯も同じくおいしく食べられますが、全体的にかためなので、薄くスライスしてスープの具などにするのがおすすめ。
ベスト4 カボチャのワタ
カボチャの種が包まれているワタ。種を取り除くときに一緒に捨ててしまいがちですが、これもじつはおいしいところ。
「カボチャのワタはやわらかくておいしいのですが、煮ても溶けないので、食べやすいようにザクザク切って、炒め物やスープの具に使います。料理が滋味深くなります。刻んでハンバーグの具に入れるのもおすすめです」(安﨑さん)
冬瓜のワタも同じく、やわらかくおいしいそうです。
ベスト3 ピーマンの種
「えっ、食べられるの!?」と、ちょっと驚きなのがピーマンの種。ピーマンをまるごと煮たり、種ごとザクザク切って炒めたり。ワイルドな使い方がおすすめです。
「ピーマンを種ごと調理すると知って、私もびっくりしました。実際に調理してみると、ピーマンは種の周りがいちばんおいしいことがわかります。ピーマンが子孫を残すために栄養が蓄えられているところなのだと思います」(安﨑さん)
ピーマンを種ごと炒めものや揚げ物にするときは油がはねやすいので、注意してください。
ベスト2 トウモロコシの芯
「トウモロコシの芯を捨てずに、湯でコトコト煮るとすごくおいしい、甘いだしがとれます。わたしはトウモロコシの芯を、昆布やシイタケと一緒に炊き込みご飯のだしに使っています」(安﨑さん)
トウモロコシの芯が、甘くて香りのよいだしになるなんて驚きです。トウモロコシの香ばしい風味がほんのりと感じられるそうです。
ベスト1 果物の種周り
甘酸っぱい果実は、ドレッシングの素材におすすめ。スモモなどの果実を包丁でカットすると、種周りの果肉はとれないのであきらめて捨ててしまいがちですが、ザルでこすって削ぎ落すと余すところなく使いきれます。
「香りよく、甘酸っぱくて、フレッシュなサラダによく合います。思うほど手間もかからないですし、おいしいのでおすすめです」(安﨑さん)
スモモのドレッシング
[材料]
スモモの果肉…50g
酢…50g
油…25g
※酢はリンゴ酢、米酢を使うとまろやか。ホワイトバルサミコもフルーティーでおすすめ。※油は菜種油、米酢があっさりしていておすすめです。
[つくり方]
材料をすべてよく混ぜ合わせる。
今回ご紹介したのは、ほんの一例。ふだん捨てがちだけど、じつはおいしく食べられるところがまだまだたくさんあります。
せっかくの野菜や果物のおいしいところを捨てずに調理して、生ごみを減らしたいですね!
取材協力
カフェスロー
東京都国分寺市東元町2-20-10
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営 11:30〜18:00
休 月曜(祝日の場合は営業、火曜休)
交 JR中央線国分寺駅から徒歩5分
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