SDGsに取り組む世界の子どもたち

野生動物を守るために戦う若き5人の活動家

近年、気候変動や生物多様性の損失をめぐる若者の抗議行動などが世界的に急増し、気候変動対策の機運が高まっています。

世界中の若者たちは、地球の悲惨な状況を知り、現在の経済モデルを変えて、自然と私たちの関係を再構築することで、地球を取り巻く環境危機を克服できると主張しています。

非営利団体アクション・フォー•ネイチャーは最近、「エコ・ヒーロー・アワード」において、地球を守るために熱心に活動している若者17人を表彰しました。

アクション・フォー•ネイチャーの社長であるベリル・ケイさんはグローバル・シチズンに対し、この賞が17人の受賞者にとって、今後の活動の幅を広げるきっかけとなるだろうと語りました。

「人々は若者の話には耳を傾けますが、大人になってから主張は聞いてもらえない。彼らには、変化をもたらす大きなチャンスがあるのです。成果は出るか出ないかは別としても、根気強く活動を続けて欲しいです」

とケイさんは言います。

ライリー・ブルック・カマヘレ/ アメリカ合衆国・12才

12歳のライリー・ブルック・カマヘレは、すでにハワイのオアフ島で法制化された法案を支持しています。「Promise to Our Keiki, Keep Hawaii」法案を地域レベルで可決させるための活動を主導し、現在は州全体での制定を目指しています。この法律は、ハワイ州全体で環境の修復や保全を促進することを目的としています。

カマヘレは長年にわたり環境保護活動に熱心に取り組んでおり、他の若者の活動家を支援・強化するための組織「カタリスト・クラブ」を設立。ビーチ・クリーンアップや動物の救助などを行っています。また、子供たちに自然保護や野生動物保護の重要性を教えるために、学校を訪問しています。

「私は活動することが大好き!私が作るプログラムやプロジェクトはどれも、私が持っている情熱や、変化を求めて経験したことがきっかけになっています。私は自分の組織をYMCAよりも大きくして、子どもたちに何かを与えたいと思っています」

ソフィア・モリーナ/ メキシコ/11才


ソフィア・モリーナは、日々の小さな自然保護活動により地球を守ることができると信じています。

若き活動家であるモリーナは、自然保護活動を行う非営利団体「Cococu」を通じ、1,500人以上の学生を組織しています。この団体は、彼女の好きな言葉である「concientizar(意識を高める)」「conocer(知る)」「cuidar(気遣う)」の頭文字をとって名付けられました。モリーナはメキシコ全国を回り、自然保護に関する講演を行い、国連の「グローバル・ゴール」に対する意識を高め、若者にコミュニティ活動への参加を促しています。

アクション・フォー•ネイチャーでは、モリーナが3万エーカーの土地を保全するのに貢献したことで、生態系の再生プロジェクトに仲間を導くことができるようになったと述べています。

モリーナはアクション・フォー•ネイチャーに対し、

「気候危機に立ち向かうには、子どもたちがシンプルかつ専門的な方法で指導を受け、何よりも私たちが声を上げ、私たちが作成した計画を通じて自然を再生できると確信していますと。子どもたちにより私たちの夢をかなえることができれば、よりよい世界になるでしょう!」

とモリーナは語ります。

ラザール・ドゥコヴィッチ/モンテネグロ/ 15才

地元の博物館で科学展示を見たラザール・ドゥコヴィッチは、電気や水の供給を支える技術についてもっと知りたいと思いました。

数年後、彼は自分の知識を試すために、資金を集め、最終的にモンテネグロの離れた土地のコミュニティのために水ポンプと太陽光発電システムを構築しました。ポンプは重力を利用して家々に水を供給し、ソーラーシステムは8軒の家に電気を供給しています。

ドゥコヴィッチはこの2つのシステムを維持し、今後も拡大していく予定です。貧困を減らし、基本的人権を保護するなど、持続可能な社会を構築するだけでなく、ミツバチを保護したり、雨水を日常的に利用するための方法にも取り組んでいます。

「始まったばかりの頃は、個人ではあまり変えられないのではないかと思っていました。しかし、変化を起こすには、一人ひとりが貢献しなければならないことを認識してから、その考えを改めました」

とドゥコヴィッチはアクション・フォー・ネイチャーに語りました。

ダンカン・ジュルマン)/アメリカ合衆国/ 16才

ダンカン・ジュルマンは、4歳の頃から蝶に魅せられていました。幼いころから人間の活動によって蝶の数が世界的に減少していることを知り、自宅に庭とビバリウム(飼育室)を作り、5,000匹以上の蝶を育てて放っていました。

2018年、ジュルマンは自分の高校に大きなバタフライガーデンとビバリウムを開発し、その後、絶滅危惧種2種を含む28種の蝶を集めました。また、このビバリウムには、鳥やトカゲ、昆虫など、他の野生動物も集まってきています。

ジュルマンは、自然の生息地を復元することで、蝶の保護に尽力しています。彼は高校を訪問して、自分の知識を伝え、他の人にも彼の活動に協力してもらうよう呼びかけています。

彼は現在、絶滅の危機に瀕している蝶を救い、野生物のためのより良い生息地を作るために、地域の園芸家や地元住民と協力しています。

「植物の花粉を媒介し、鳥やトカゲなど数多くの動物の重要な食料源となるなど、生態系の中で蝶が果たす不可欠な役割や、南フロリダに生息する蝶の種類の多様性について、ほとんどの学生が知らないことを、私は認識していました」

とジュルマンは語ります。

「また、世界中の蝶の個体数が深刻な危機に瀕していることも、ほとんどの人が知りません。最近の学生は全体的にテクノロジー志向が強く、ガーデニングや昆虫、自然全般への関心や知識が以前の世代に比べてはるかに少ないのです。私はこの状況を変えたいと思っています。蝶の重要性、蝶が直面している多くの脅威、そして蝶の未来にすぐに影響を与えるために必要な比較的小さな努力について、若者の意識を高める必要があることを認識しています」

と付け加えました。

レセイン・ムトゥンケイ/ケニア・15才

レセイン・ムトゥンケイは、サッカーでゴールを決めるたびに、チームメイトと協力して11本の木を植えています。彼が「Trees for Goals」の活動を始めたのは、世界的な森林破壊の規模を初めて知った12歳のときでした。

それ以来、彼は1,000本以上の木を植え、5,000人以上の仲間が彼の活動に参加するようになりました。

また、ムトゥンケイは、気候変動、森林破壊、プラスチック汚染などの問題に関する教育者でもあります。

「私の目標は、FIFAがTrees For Goalsを世界のサッカー界に持ち込むことです」

とムトゥンケイは語ります。

ソース:https://www.globalcitizen.org/en/content/eco-hero-awards-youth-activists/