目標12:つくる責任 つかう責任

命をつなぐ食べものから、 みんなで環境を守ろう

目標12:カフェスローの取り組み Part.1

カフェスローが提案する“環境負荷が少ない食べもの”とは

わたしたちのまわりには、さまざまな食べもの、飲みものがあふれています。野菜、果物、肉や魚、お菓子にお弁当……。お店に行ってお金を払えば、いつでも好きなものを買って食べられます。でも、それはけっして当たり前のことではありません。

世界には、飢餓(食べものが手に入らずに栄養失調が続き、体調の維持がむずかしくなっている状態)に苦しんでいる人が8億2000万人もいるといわれています。つまり、なんと世界の約9人に1人が毎日飢えに苦しんでいるのです。その背景には、長引く紛争や貧困、干ばつや洪水などの自然災害、地球規模の異常気象といったさまざまな要因があります。

 

右から「カフェスロー」広報の渡邉由里佳さん、調理担当の安﨑あすみさん

2001年に始まった「カフェスロー」では、食べものを中心に“環境に負荷をかけない暮らし”を提案し続けています。広報担当の渡邉由里佳さんが、日ごろから食べものについて考えていることを教えてもらいました。

家庭菜園や地元の野菜を食べることから始めてみよう!

「毎日の生活のなかで、ちょっと気にかけてほしいのが食べものの“旬”です。たとえばトマトやピーマンは、夏なら太陽の下で自然に育ちます。でも、冬に食べたいと思ったら、ハウスなどの施設で栽培するさいに暖めるための燃料(エネルギー)が必要です。また、外国から輸入するのにも、飛行機などの燃料が必要です。輸送する距離が長いほどたくさんの燃料を消費し、二酸化炭素が排出され、地球温暖化の加速につながります」

そこでおすすめは、家庭菜園で採れた野菜や、農家の直売所などで買える地元の農産物。新鮮でおいしくて健康にもよくて環境にやさしいのでいいこと尽くし! と渡邉さんはいいます。

食べものを生産し続けられるよう、その土地の生産者を応援

カフェスローがいちばんたいせつにしているものが、「つながり」。十年後、百年後、数百年後と、これからもずっと食べものを生産し続けていくことができるように、その土地の環境や文化を守り、生産者を応援することをめざしています。

 

「対馬のイノシシ肉冷しゃぶサラダ」。“獣害”を“獣財”に変える長崎県対馬の取り組みから誕生したメニュー

たとえばメニューでは「対馬のイノシシ肉冷しゃぶサラダ」(1527円)。長崎県対馬は多くの固有種が生息する生物多様性に富んだ島であるいっぽう森を食べ尽くしてしまう勢いで、増えすぎた鹿とイノシシが農産物を荒らすことに悩まされてきました。そんなイノシシ肉を積極的に活用する地元の取り組みに、カフェスローは賛同。さっと湯通しして氷水に引き上げた薄切りのイノシシ肉は、驚くほどやわらか! たっぷりの野菜とごまだれでいただきます。

 山形県の生産者から届く自然農法のお米「さわのはな」と青大豆「秘伝」。昔から食べられてきた山形県の在来種「さわのはな」は、いまではほとんど生産されていない幻のお米です。

「森のスパイスとオーガニック黒糖の自家製コーラ」(600円)。メキシコの山岳地帯に設立されたトセパン協同組合により、無農薬・無化学肥料の森林農法で育てられた、香り高いオールスパイスとシナモンを使用。オーガニック黒砂糖といっしょにコトコト煮出し、オーガニックのレモンを効かせたコーラ。香りがあまりにもよくてビックリ!

次回は、カフェスローのキッチン内部におじゃまして、環境にやさしい調理方法から食器の洗い方までご紹介します!

 

カフェスロー

住所:東京都国分寺市東元町2-20-10

電話:042-401-8505

営業時間:11:00〜18:00

定休日:月曜(祝日の場合は営業、火曜休)

アクセス:JR中央線国分寺駅から徒歩5分