目標11:住み続けられるまちづくりを

キッチンから 地球の水と生態系を守る

目標11:カフェスローの取り組み Part.2

地球の水を守るため、毎日の暮らしでできることとは?

地球は、“水の星”です。この地上には14億㎦ロもの水があるといわれていますが、そのう
ちの97.5%は海水。わたしたちが使える水はわずか0.01%しかありません。
水道水は、ほとんどが河川の水です。上流で使われて放流された水は、下流で繰り返し使
われ、さらにそのあと川や海に生息する、水中昆虫や魚などの生き物たちも利用します。
キッチン、お風呂、洗濯などで使った生活排水は、川や海を汚す大きな原因のひとつとな
っています。

環境省の『生活排水読本』によると、日本では1人当たり1日に250ℓの水を使っています。水を汚さないために、すぐに実行できることはあるのでしょうか。“環境に負荷をかけない暮らし”を提案している「カフェスロー」の広報担当、渡邉由里佳さんに教えてもらいました。

キッチンで使う洗剤をなるべく少なく

「おすすめしたいのは、キッチンなどで使う洗剤をなるべく少なくすること。たとえばわたしたちはお客様の食器をしっかり手洗いしてから、食器洗浄機に入れ、洗剤を入れずに70℃くらいの高温の湯だけで洗っています」

最初に食器を手で洗うさいは、生態系への負担が少ない無香料、無着色の台所用石けんを使用。お湯を使えば、これだけで油汚れもほとんどの場合はきれいになるそうです。

生活用水はやがて川や海に流れていきます。環境生態系への負担がすくない台所用石けんを使用するのもおすすめと、渡邉さん。

海の生物を守る天然素材のスポンジを使う

また、キッチンから「マイクロプラスチック」を出さないように気をつけています、と渡邉さん。

「マイクロプラスチックとは、直径5㎜以下の小さなプラスチックです。微細なため回収が難しく、いつまでたっても自然分解されずに海中のゴミとなり、生物たちが誤飲するなど生態系への影響もあります。そこで、一般的なスポンジではなく、わたしたちはマイクロプラスチックとならない植物繊維の食器洗い用スポンジたわしを使っています」

野菜の皮やヘタも賢く使って、ゴミを出さない工夫

なるべくキッチンからゴミを出さないよう、野菜を皮ごと使うのも「カフェスロー」の調理スタイル。昆布や干しシイタケのだしがら、キャベツの芯、ナスのヘタ(!)や、ズッキーニの茎(!!)、長ネギの根っこ(!!!)などお客様のお料理には使わない部も、“まかない”としてスタッフのみなさんで食べているそうです。野菜くずのみそ汁など滋味豊かな味わい。写真はこの日のまかないです。

サラダに使われるスモモは、果実を切り出した後の種の周りの実までそぎ落としてドレッシングに使うなど、ほとんど捨てる部分がありません。

写真は「こどもヴィーガンスロープレート」(800円)。この日の「季節のヴィーガンスロープレート」。この日のサラダには、スモモを余さず使ったサラダつき。ご飯は山形県で昔から食べられてきた在来種のお米「さわのはな」。有機栽培、特別栽培などの旬の野菜がたっぷり。写真は「こどもヴィーガンスロープレート」(800円)

環境にやさしい調理方法から食器の洗い方まで、さまざまなアイデアが集まっている「カフェスロー」のキッチン。ご家庭でもぜひ、できることからひとつずつでも取り入れてみてください!

 

カフェスロー

住所:東京都国分寺市東元町2-20-10

電話:042-401-8505

営業時間:11:00〜18:00

定休日:月曜(祝日の場合は営業、火曜休)

アクセス:JR中央線国分寺駅から徒歩5分