コロナの18歳の高校生、アージュン・ヴィジさんは2年前の2月に学校の修学旅行でアフリカ南部のエスワニティ国(旧スワジランド王国)を訪れました。
そこでヴィジさんはホホ地区というエリアにある、とある村に暮らす人々が飲み水の用意に毎日苦労している姿に直面し、驚きました。女性や子どもたちが重いドラム缶を担いで遠方まで歩き、19リットル以上の水を汲んで持ち帰っていたのです。水といっても、飲み水とはほど遠い、茶色く濁ったもの。コレラや腸チフスの感染の可能性が高いものでした。
修学旅行でヴィジさんは、井戸を設置することがどれだけ村の人々にとって大切なことか実感しました。25ドル(およそ2,700円)あれば、1人が一生涯に飲む水を提供することできる、家族4人の場合100ドル(およそ11,000円)だけで助けることができるのです。
修学旅行から帰国後、ヴィジさんは上水を利用できない人たちを助ける方法などを調べました。あるNPO法人の調査によると、世界中で844万人がまだ安全な水が提供されていないと推定されていることも分かりました。
ヴィジさんは村の状況を家族や友人に話ました。そして、村に井戸を設置するため「Thirst Project(サースト・プロジェクト)」を立ち上げ、500ドル(およそ5万5千円)を集めることに成功。ホホ地区の村に井戸を設置することができました。
そして、ヴィジさんは修学旅行で見たことや学んだことを伝えるため物語を書き始めました。
物語の主人公は Sanyu(サニュー)と言う少年で、両親と妹のマサニと一緒にウガンダに暮らしています。ある日、両親は学校へ行くより水を汲んできてくれとサニューとマサニに言います。二人は苦労して水を汲んできましたが、その水は命を脅かす可能性のあるものでした。
この物語は”In Bad Water”と名付けられ、今年5月17日に自費出版でリリースし、Amazon.comで販売。イラスト付きで10才〜12才の子どもも読みやすい内容になっています。
「この本の目的は、世界中の子どもや大人が危険にさらされていることを知られていない若者とたちに伝えること。青年になる前の子ども達は最も社会を変える力があると思います。若いうちにこういった世界的な問題を知れば、大人になった時に正しい行動をとると思います」
とヴィジさんは語ります。
ソース:https://www.latimes.com/socal/daily-pilot/news/story/2021-06-08/corona-del-mar-student-shows-how-kids-can-help-end-a-global-crisis-in-new-book-in-bad-water